エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.282
2013.11.23 更新
文:GDM編集部 Tawashi
もうひとつ、人気のゲームタイトルからカプコンのサバイバルホラーアクション「バイオハザード6」のベンチマーク結果をお届けする。品質設定は最高品質(初期設定)で、解像度のみを1,280×720ドットと1,920×1,080ドットにセットして計測を行った。
バイオハザード6ベンチマーク |
1,280×720ドット時の低解像度はもちろん、1,920×1,080ドットにセットした高解像度設定でのスコアは10,652。RESULTS画面では、ほかに5段階の「ランク」で快適度が表示されるが、もちろん「ランクS」を獲得している。いうまでもなくプレイに支障をきたすことはない。
ゲーミングベアボーンを謳う「M8」だが、筺体は通常のPCケースよりもコンパクトなサイズになっている。やはり気になるのは、各パーツ類が詰め込まれた内部の温度だ。そこで、CPUの温度およびケースファン回転数の計測を実施した。
テスト機では、CPUにHaswellベースの省電力版CPU「Core i5-4570S」を搭載し、冷却はリテールパッケージ版付属のリファレンスクーラーを使用している。
負荷ソフトにはストレスツール「OCCT 4.4.0」を使い60分間のテストを実施。同時にハードウェアモニター「HW Monitor 1.23」で、CPU温度および標準装備の70mmファン4基の回転数をモニタしている。
【CPU温度】 検証室内温度25℃/湿度49% |
まずはCPU温度。アイドル時(起動後30分間放置)は50℃、100%負荷実行中では88℃という結果となった。動作には問題ないものの、トップおよびボトム部分に搭載された70mmファン×4基では、排熱が追い付いていない印象で、アイドル時、高負荷実行中ともにやや高めだった。
また、70mmケースファンの回転数は、アイドル時は実測値で約1,950rpm前後。高負荷時はおそらく最大回転数と思われる約3,000rpmを記録した。動作音は、アイドル時には全く気にならないレベル。高負荷時はさすがに小型口径ファン特有の高い風切り音を出していたが、実運用ではここまで継続して高負荷が続くのは極まれなケースと考えれば、それほど深刻な問題ではないだろう。
もうひとつ気になるのは、グラフィックスカードだ。「M8」のグラフィックスカード搭載スペースはケースの構造上、SSD/HDDのドライブベイと並ぶように配置されている。今回テストに使用した「N760GTX HAWK」に限らず、2スロット仕様のグラフィックスカードを装着した場合はやや窮屈だが、実際の温度はいかがなものか。
テストは「GPU-Z 0.7.2」を使用してGPU温度をチェック。アイドル時(起動後30分間放置)と「3DMark」の“Extreme”プリセットにセットした高負荷時で計測している。
【GPU温度】 検証室内温度25℃/湿度49% |
高負荷時のGPUコア温度は70℃台後半とやや高め。ただ同時にモニタしていた高負荷時のファン回転数は約1,350rpmと動作音は全く気にならないレベルだった。「N760GTX HAWK」が備えるVGAクーラー「Twin Frozr 4 Advanced」はその冷却性能に定評があるが、ファン回転数は低めに設定されている。付属のチューニングツールを使えば、ユーザー任意の回転数設定が可能なため、GPUコア温度が気になる人はカスタマイズするとよい。
テストセッションの最後はベンチマーク実行中の消費電力を確認していきたい。アイドル時は10分間放置した中で最も低い値、「CINEBENCH R11.5」と「3DMark」はそれぞれのベンチマーク実行中で最も高い値をとしている。
消費電力(W) |
アイドル時で約42W。CPUがフルに動作する「CINEBENCH R11.5」では63Wを記録。ここにきてTDP65Wの省電力版CPU「Core i5-4570S」を使用したアドバンテージがハッキリと表れる結果となった。
さらにグラフィックスカードへの負荷が上がる「3DMark」では266Wとそれなりに上昇しているが、電源出力が450Wの「M8」ではいずれも許容範囲。テスト機ではSSDを1基しか搭載していないが、さらに3.5インチHDD等のデバイスを追加しても問題なさそうだ。
ここまで「M8」内部構造やポテンシャルをじっくりと検証してきたわけだが、やはり最大の特徴はBMW Group DesignworksUSAが手掛けたその魅力的な外観デザインだ。購入後、長い時間を共に過ごすことになるPCケースの見た目は重要で、ゲームメインのPCとなればなおのことだろう。
またベアボーンスタイルだけに、自作初心者にとっても比較的容易に組み上げることができる。売価がギリギリ60,000円台と安価とは言いがたいものの、BMWが手掛けたオリジナリティあるデザインは、見たものの購買欲を十分刺激する。1ランク上のプレミアムなベアボーンを求める人はもちろん、見た目にこだわるカッコイイPCが欲しい人にとっては注目のモデルである事は間違いない。