エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.293
2014.01.04 更新
文:GDM編集部 池西 樹
続いて「ATTO Disk Benchmark 2.47」を使い、シーケンシャルアクセスの最大パフォーマンスを確認しておこう。
ATTO Disk BenchMark 2.47 |
読込は最高557MB/sec、書込は最高536MB/secで、いずれもSATA3.0(6Gpbs)インターフェイスの限界に近い性能を発揮する。これ以上のパフォーマンスを求めるなら、接続インターフェイスを変更する必要がありそうだ。
ここまでのベンチマークを見る限り、クリーン状態では優れたパフォーマンスを発揮する「Vector 150」シリーズ。最後に、データが大量に書き込まれたダーティ状態でのパフォーマンスについて確認しておこう。テストには強制的にドライブを断片化する「スペースデデフラグ」を使い、空き容量が約5%になるまで乱数データを書込。その後、すぐにベンチマークによる計測を行っている。
スペースデデフラグの設定。生成ファイルサイズは乱数可変0~4MBを選択した | |
AS SSD Benchmark 1.7.4739.38088総合ベンチマーク | CrystalDiskMark 3.0.3【1000MB】 |
HD Tune Pro 5.50【FileBenchmark】 | |
ATTO Disk BenchMark 2.47 |
ダーティ状態で、最も大きな影響をうけているのはシーケンシャル書込。すべてのベンチマークでクリーン状態から約100MB/sec前後パフォーマンスが低下している。一方、それ以外のベンチマークでは大きな影響は見られず、HD Tune Pro 5.50【FileBenchmark】のグラフ形状も安定している。実際の運用では、ここまでデータを書き込む前に何らかの対策を施した方がいいのは確かだが、かなりダーティな状態でも「Vector 150」であれば、高いパフォーマンスを維持できるだろう。
OCZ初の19nm NANDフラッシュ採用という大きな挑戦にも関わらず、高い安定性とSATA3.0(6Gbsp)SSD最高レベルのパフォーマンスを実現した「Vector 150」シリーズ。NANDフラッシュへの最適化は上々で、正にコントローラからファームウェアまで、すべてを内製できる強みをしっかりと発揮した結果といえるだろう。
パフォーマンスだけでなく、安定性や耐久性にもこだわった「Vector 150」シリーズは、万人におすすめできる完成度の高い逸品だ |
前モデルでは不要だったオーバープロビジョニング領域を採用しているため、最大容量は若干減っているが、2.5倍の高い耐久性やダーティ状態での強さを考慮すれば、ハイエンド製品ではむしろ歓迎できる変更と言っていいはずだ。インターフェイスの限界に近づき、パフォーマンスの差別化が難しい今だからこそ、耐久性や安定性にもこだわった「Vector 150」シリーズを選択したい。