エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.294
2014.01.08 更新
文:GDM編集部 Tawashi
CPUにHaswellベースの省電力版「Core i5-4570T」を搭載し、冷却は専用のブロアー式ファン採用冷却クーラーが担当している「ZBOX ID」。公称スペックがTDP35Wとはいえ、小型筺体ゆえにその発熱と冷却性能は気になるところだ。そこで、ストレスツール「OCCT 4.4.0」を使った60分間の負荷テストを実施した。
【CPU温度】 検証室内温度19℃/湿度49% |
アイドル時(起動後30分間放置)は38℃、100%負荷実行中でも72℃という結果は非常に優秀。専用のブロアー式ファン採用冷却クーラーはしっかりと仕事をしている。さらに動作音は非常に静かだ。「OCCT 4.4.0」テスト中も、アイドル時とまったく変わらない印象で、トップの排気口からほんのり暖かい空気が感じられる程度だった。
テストセッションの最後はベンチマーク実行中の消費電力を確認していきたい。アイドル時は10分間放置した中で最も低い値、「CINEBENCH R15」と「3DMark」、「OCCT 4.4.0」はそれぞれのベンチマーク実行中で最も高い値としている。
消費電力(W) |
アイドル時で約13.3W。CPUがフルに動作する「CINEBENCH R11.5」では33.2W、ほぼ同じレベルで「3DMark」でも33.4Wを記録。さらに「OCCT 4.4.0」実行時でも最大41Wに留まっていた。TDP35WのCPU「Core i5-4570T」を使用したアドバンテージがハッキリと表れる結果で、システム全体が非常に省電力であることが分かる。
ここまで「ZBOX ID」を検証してきたが、全体的に非常に良くまとまったベアボーンという印象だ。新たにHaswellこと第4世代Coreシリーズを採用したことで、CPU性能はもちろんグラフィックス機能も大幅強化。Intel HD Graphics 4000の恩恵で、ライトなゲームならストレスなくプレイができる。
またテスト結果に出ていたように、システム全体の消費電量は最大でも約40W程度とノートPC並みに抑えられている。Ivy Bridge世代のCPUを採用していた従来モデルから、しっかりと正統進化を果たしているといえるだろう。
さらにパーツ組み込みから完成までの間、ドライバレスで作業できる手軽さも魅力的。これなら自作経験が無いような初心者ユーザーにも十分お勧めできる。今後、最新ベアボーンの購入を検討するなら、「ZBOX ID」は間違いなく有力候補になる製品だ。