エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.295
2014.01.12 更新
文:GDM編集部 池西 樹
チューニング動作を確認したところで、ここからはベンチマークソフトを使い、性能への影響をチェックしていくことにしよう。まずはCPU向けベンチマーク代表として「CINEBENCH R15」にて測定を行った。
CINEBENCH R15(cb) |
CPU性能がリニアに影響するベンチマークということもあり、クロックが上がるに連れてスコアも綺麗に上昇する。特にマルチコアテストでは、「OC Genie 4」で約5%、「XTU」では約9%と1ランク上のパフォーマンスを発揮。ゲームプレイだけでなく、動画エンコードやレンダリングのような重量級アプリを多用するなら、積極的に活用するといいだろう。
続いて3Dベンチマーク定番「3DMark」を使い、グラフィックス性能への影響を確認していく。NVIDIA GeForce GTX 760を搭載しているため、プリセット設定は「Fire Strike」と、より負荷の高い「Fire Strike:Extreme」の2つを選択した。
Fire Strike | |
Fire Strike:Extreme |
いずれのベンチマークでも、グラフィックス性能の比重が大きい「Graphics Score」と総合スコアについてはほとんど影響なし。一方、CPU性能が重要な「Physics Score」は、「OC Genie 4」で約4%、「XTU」では約8%としっかりと効果が表れている。
次に人気オンラインRPG「ファイナルファンタジーXIV」2期目タイトル“新生エオルゼア キャラクター編”での計測を行った。品質設定のプリセットは“最高品質”にセット、解像度は1280×720ドットと1920×1080ドットの2パターンを選択して計測を行っている。
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編 |
グラフィックス性能が飽和しているためか、1920×1080ドットでは1%未満、1280×720ドットでは約2%とやや物足りないスコア。とはいえ、一定の効果が認められることから、映像品質を上げたい場合や実際の動作に不満がある場合には、CPUコアのチューニングを試してみるといいだろう。
最後にオーバークロックによって、どの程度消費電力に影響があるのか確認しておこう。アイドル時は10分間放置した中で最も低い値、高負荷時は「CINEBENCH R15」動作中で最も高い値とした。
消費電力(W) |
定格と「XTU」では省電力機能が有効に働き、アイドル時の消費電力はほとんど変化なし。一方「OC Genie 4」では、アイドル時でも動作クロックが低下しないため、定格に比べるとやや消費電力が大きい。また高負荷時は、コアクロックのみ調整している「XTU」では「OC Genie 4」より消費電力が抑えられている点にも注目だ。
いずれにせよ消費電力増加は微々たるもので、このクラスのPCなら運用上大きな問題になることはないだろう。
170×170mmという限られたスペースに、ハイエンド並の機能を搭載するという難題に取り組んだ「Z87I GAMING AC」。Mini-ITXという制限のため、メモリ容量やマルチGPU対応など、上位モデルに譲る部分があるのも事実。しかしKiller NICの搭載やオンボード最高レベルのサウンド回路など、ゲーマー向け機能は上位モデルとまったく遜色ないレベルに仕上げられている。
ATXやMicroATXマザーボードに匹敵するパフォーマンスを実現した「Z87I GAMING AC」。コンパクトゲーミングPCに挑戦するなら最適なチョイスになるだろう |
さらにMini-ITXでは異例とも言える6フェーズの電源回路や、「OC Genie 4」を始めとする充実したチューニング機能は、パフォーマンス志向のユーザーニーズにもしっかりと応えてくれるはずだ。近頃では水冷ラジエターや長尺グラフィックスカードに対応するMini-ITXケースも数多く登場し、以前に比べると小型PCへのハードルは格段に下がっている。これからPCの新調を検討しているなら、「Z87I GAMING AC」を使いコンパクトかつハイスペックなPCにぜひ挑戦してみてほしい。