エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.298
2014.01.23 更新
文:GDM編集部 池西 樹
今回の主役「C2750D4I」は、「Avoton」最上位の8コアプロセッサAtom C2750を搭載したサーバー向けMini-ITXマザーボード。TDP20Wという低消費電力SoCを採用することで、ファンレス駆動に対応し、マルチスレッドにおける高い処理性能と静音性を両立させた。
また拡張性の高さも特徴で、SATAポートはSoC内蔵コントローラによるSATA3(6.0Gbps)×2、SATA3(3.0Gbps)×4に加え、Marvell「SE9172」によるSATA3(6.0Gbps)×2と、Marvell「SE9230」によるSATA3(6.0Gbps)×4の計12ポートを標準装備。メモリスロットはデュアルチャネル対応DDR3-1600MHz×4が用意され、最大64GBまで増設できる。
170×170mmの限られたスペースを有効に使い、高い拡張性を実現する「C2750D4I | 基板裏面にもコントローラやICチップが実装されている |
その他、グラフィックスチップには、サーバー管理機能を備えるASPEED「AST2300」を搭載。拡張スロットはPCI-Express2.0(x8)で、バックパネルインターフェイスはD-Sub×1、ギガビットLAN×2、IPMI向けLAN×1、シリアルポート×1、USB2.0×2。なお対応OSは、Windows Server 2012/2008 R2 SP1、Cent OS 6.4/5.10、SUSE Enterprise Linux Server 11 SP1、FreeBSD 9.1、Fedora Core 19、Ubuntu 12.10/12.04、VMWare ESXi 5.5とされ、コンシューマ向けOSには正式対応していない点には注意が必要だ。
コンシューマ向け製品と違い、ブルーを基調としたシンプルなパッケージを採用 | |
メーカーロゴの下には「Server/Workstation」の文字が確認できる | 付属品一式。SATAケーブル×4、バックパネル、ドライバCD、マニュアルが同梱される |
続いて、マニュアルに記載されているブロックダイアグラムから、「C2750D4I」を確認していこう。メインチップはAtom C2750の1チップ構成で、拡張スロットやMarvell「SE9230」は、PCI-Expressバスを介してSoCに直結。一方、Marvell「SE9172」やギガビットLANチップなどは、レーンスイッチチップPLX「PEX8608」を経由しているため、パフォーマンス的にはやや不利になることが予想される。なかでも、SATAポートは性能への影響が大きいことから、高速SSDを接続する場合にはSoCまたはMarvell「SE9230」に接続したい。
「C2750D4I」のブロックダイアグラム図 |