エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.301
2014.02.06 更新
文:テクニカルライター・藤田忠
続いてはAPUで気になる内蔵GPUのパフォーマンスチェックだ。「3DMark」は、DirectX 10を想定したホームPCやノートPCをターゲットにしたテストの「Cloud Gate」と、DirectX 11想定のゲームマシン向けテストの「Fire Strike」を実行。「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」は、「最高品質」、「高品質」、「標準品質」の1,920×1,080ドット(フルスクリーン)と1,280×720ドット(ウィンドウ)。そして「信長の野望 創造ベンチマークデモ」は、フルスクリーンの1,920×1,080ドットで、デモをスタート。「Fraps」で合戦シーンのフレームレートを120秒間計測している。
Cloud Gate | |
Fire Strike | |
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編 1,920×1,080ドット(フルスクリーン) | |
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編 1,280×720ドット(ウィンドウ) | |
信長の野望・創造 ベンチマークデモ(fps) |
手始めは「3DMark」だが、Clocud Gate」と「Fire Strike」とも「CINEBENCH R15.0」と違ってTDPが50W違う、デフォルトのTDP95WとTDP45Wで若干差がついている。
実ゲームも同じ傾向だが、「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」の「標準品質」時は、TDP95Wと45W時の最大で700スコアと若干大きな差がついている。ただ、1,920×1,080ドット、1,280×720ドットともスコア指標は“快適”なので安心だ。同様に「信長の野望・創造ベンチマーク」も、平均フレームレートが6.5フレームレートダウンしているが、プレイにはまったく影響しないレベル。同ゲームの醍醐味である合戦シーンもヌルヌルと描画出来ていた。
最後はベンチマーク実行時の消費電力だ。TDPをダウンさせたことでのパフォーマンス低下は小さめだったが、果たして消費電力は、どの程度ダウンするのか比べてみよう。測定はOS起動後10分放置したアイドル時と、「CINEBENCH R15.0」、「3DMark」実行時の最大消費電力をまとめたものだ。
消費電力(W) |
TDP95W/65W/45Wの消費電力差は、アイドル時と「CINEBENCH R15.0」実行時で1W程度とわずかだが、「3DMark」実行時は、最大で6W程度のダウンになっている。
スコアやフレームレートに、若干差がついた95Wと45W時の消費電力にも、期待していたほどの差は出なかったが、Intelに比べるとTDPが高めのAMD APUを用途に合わせて、カスタマイズできるのはなかなか面白い。現状、「Configurable TDP」機能に関する設定が、見当たらないマザーボードもあるので、「Configurable TDP」を試すなら、ASRock製マザーボードでキマリだ。
描画設定と解像度次第では、「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」や「信長の野望 創造」を遊べる「A10-7850K」は、なかなか魅力的。そんな第4世代AMD A-Series APUから採用された「Configurable TDP」機能(「Target TDP」)に、いち早く対応し、ラインアップも豊富なASRock製マザーボードは要注目といえる。とくに今回試した「Fatal1ty FM2A88X+ Killer」は、ゲーミングはもちろん、動画、音源視聴と用途さまざまなPCを組んでみたい人にオススメなスペックを備えているので注目だ。