大量のサンプルの中から日本で売れそうなモノを厳選

• 編集部：
  製品が実際に店頭に並ぶまでの流れを教えていただけますか。
• 進氏：
  「これいいな」という製品を見つけたら、まずはサンプルを取り寄せて検証作業に入ります。モノによって異なりますが、検証は1週間から1カ月ほどかけてじっくり行います。通電モノが多いので、検証は大変気を使いますね。そうやって多くのサンプルの中から、日本での発売に耐えうる商品を厳選していくことになります。



• 編集部：
  検証後の流れはどうなりますか。
• 進氏：
  実際に発注を行い納品されます。その後は、ウェブサイトのページ作成したり、プレスリリースを発信したりといった作業が発生します。上海問屋の製品は、取扱説明書が英語や中国語の場合が多いため、ウェブサイトの商品ページではなるべく使い方を丁寧に解説するこを心がけています。
• 編集部：
  ということは、今日も検証している見せられない製品が多数あると思いますが、それらが出てくるのはかなり後ということですね。
• 進氏：
  そうなります。しかし上海問屋の場合、発売までのスピードも重要なので、出すと決まってからは急ぎますよ（笑）。
• 編集部：
  いつも製品の特徴がよくわかる画像が使われていますが、商品撮影はどのようにしているのでしょうか。
• 進氏：
  メーカーが用意してくれるものもありますが、意外に解像度は低かったりして使えない場合も多いんです。なので基本はこちらで撮影しています。これも最初は撮影担当に任せていたのですが、やっぱり実際に使った人でなければ特徴が伝えにくい。今は、各担当が細かく指示をして撮影を行っています。

社内での撮影風景。もちろん使用しているのは上海問屋で販売中の「折りたたみ・コンパクト収納 簡易撮影ボックス 60サイズ」（型番：DN-10099）。実売価格2,499円

• 編集部：
  サンプル到着後にまずは検証作業とのことでした。その段階でいわゆる「ボツ」になる製品は、どのくらいあるのでしょうか。
• 進氏：
  具体的な数は申し上げられませんが、かなりの数がNGになります。
• 編集部：
  1カ月に40製品が発売されるとして、かなり大量の商品をチェックしているという事ですね。
• 進氏：
  そうなります。それこそ理由は様々ですが、検証段階で少しでも駄目なところがあれば、どんどん落としています。

八王子店だけでやたら売れるモノとは？

• 編集部：
  ウェブを拝見したところ、2013年に最も売れた上位アイテム「ベストアイテムアワード 2013」というコーナーを見つけました。2013年にこだわらず、印象に残っているヒット製品はありますか？
• 進氏：
  単価こそ安いですが、大定番の商品が「激安学習リモコン RIMOKOSO 1」ですね。ずっと売れ続けています。

定番の「激安学習リモコン RIMOKOSO 1」。実売価格500円。数年前の商品だがいまだに人気のため、在庫も常に多めに用意されている

• 黒田氏：
  また、ウェブでは売れていたのに、店頭では動きが少なかった「モーションセンサー内蔵 LED スティックライト」という商品がありまして。そこで店舗スタッフと協力して、お手製の簡単な暗室を使ってデモをしたのですが、それから飛ぶように売れ始めました。“来て見て触って”が実践できたよい例だったと思います。

ドスパラ パーツ館で行っている「モーションセンサー内蔵 LED スティックライト」のデモ。売れ行きの鈍い製品でも、改めて展示の仕方やデモの方法を工夫するだけで、途端に人気商材へと変化する

• 編集部：
  ほかに、デモをしたことで売れた製品はありますか。
• 進氏：
  サウンド関連のデバイスでしょうか。リアル店舗がないときは、継続して売れなかったのですが、やはり実際に音が聴ける環境があると売れ行きが明らかに違います。これから強化していきたい部分ですね。
• 黒田氏：
  また、意外に売れて少し驚いたのが「超音波洗浄機 (超音波クリーナー)」です。

意外と言うなかれ。発売以降、飛ぶように売れている「超音波洗浄機 (超音波クリーナー)」。ちなみにエルミタ編集部スタッフも購入し、毎日愛用していることが判明