エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.303
2014.02.17 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
ここからは期待のNew RAVEN「RVZ01」の評価サンプルを箱から取り出し、エルミタ流に隅々チェックを行っていく。
まずお断りしておくと、「RVZ01」は縦置き・横置きいずれにも対応する。この手のPCケースでは「ありがち」な設計だが、このモデル特有と言えるのは、縦横どちらのスタイルでもまったく違和感がないところだ。エアフローを考慮すれば、縦置きがベストなはずだが、横置きは安定感があり、なにより座りがいい。いずれも甲乙付け難しだが、本稿では設置方向を決めておきたい。というのも、コレを曖昧にする事でトップパネルやサイドパネルがどの面に当たるのか説明がつかなくなってしまうからだ。「曖昧さ回避」というワケで、ここは「横置き」を前提に検証を進めて行くことにしよう。
マニュアルに掲載されている「RVZ01」分解の図。検証を始めるにあたり、大凡の構造を頭に入れておこう |
デザインの善し悪しを語るほどのセンスを持ち合わせてはいない。しかし素人目に見ても、この手の薄型PCケースの中では洗練されている。リアパネル以外の3面ぐるりに施されたストライプのアクセントが印象的で、大きくスタイルを変えてきたとは言え、歴代RAVENシリーズの意匠が受け継がれている。なおシリーズ共通の特徴として、RAVENのエンブレムのみで、SilverStoneの文字は一切使われていない。
どこか大型PCケース「RAVEN」の面影を残すフロントパネルデザイン。素材は外周部がプラスチック製、シャーシおよび上下パネル部分がスチール製 |
カットされた穴が無数に配されているのが両サイド面。プラスチック製で、フロントパネル同様にストライプがデザインされている。
両側面には無数の穴が空けられている。通気性を高めるだけでなく、縦置き用スタンドを取り付ける穴としての重要な役割も果たす | |
エッジ部分にもダクトを設ける等、通気性を高める工夫を随所に見ることができる |
「RVZ01」で唯一取り外しできるのが、トップパネルだ。説明するまでも無く、組み込みやメンテナンスを行う際に必ず触れる重要なもの。拡張性が制限されるMini-ITXだけあって、ミドルタワーPCケースのように頻繁に着脱はしない事を想定してか、ハンドスクリューではなくドライバーを使用する一般的なネジで固定されている点は珍しい。左右2個のネジ留めに加え、パネル側の突起がシャーシ側の穴にスライド固定させる仕組みだが、これが比較的固く、少々着脱に手間取ってしまった。工作精度による固体の問題ではなさそうだが、念のためお知らせしておこう。
唯一着脱ができるスチール製トップパネル。右上には120mm口径ファン×1基を標準装備。正圧設計だけに、筐体内部方向に風を送るエアフローレイアウトを採用する |