エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.305
2014.02.26 更新
文:GDM編集部 Tawashi
それでは早速、前述の5パターンに設定したCPUのパフォーマンスチェックを開始する。使用するのは、定番のCGレンダリングソフトである「CINEBEHCN R15」だ。プリセットは、シングルコアとマルチコアの2種類で測定している。
CINEBENCH R15(cb) |
CPU性能が直接影響するベンチマークということもあり、「EasyTune」の設定を「Light」「Medium」「Extreme」と上げるごとにクロック上昇とスコアの伸びは順当な結果となった。手軽にWindows上から1クリックでオーバークロックできることを考えれば、「EasyTune」は非常に使い勝手がよい。パフォーマンス不足を感じた際には、まず試してほしい機能だ。
また、省電力の「Energy Saving」では、シングルコア、マルチコアともパフォーマンスはガクッと低下している。ただし他のプリセットと異なり、再起動なしで切り替えが可能なため、用途に合わせて利用するといいだろう。
合わせて消費電力を確認しておこう。オーバークロックによって、どの程度消費電力に変化があるのだろうか。アイドル時は10分間放置した中で最も低い値、高負荷時は「CINEBENCH R15」動作中で最も高い値として計測を行った。
消費電力(W) |
アイドル時はCPUの省電力機能が効果的に働くためか、どのプリセットを選択しても消費電力はほぼ一定。オーバークロック時は、クロック上昇と同じく消費電力が順当に上がっている。特に「Light」から「Medium」に変更した際の差は30W以上。コア電圧が1.150Vから1.346Vに上がった状態が、そのまま結果に表れている。常時定格使用であれば問題はないが、オーバークロックプリセットを使うという人は、CPUクーラーの交換は必須だ。
ここまで「GA-Z87X-UD3H」を検証してきたが、ミドルレンジという位置付けながら、こだわりのコンポーネントを採用する点や、品質規格の最上位「Ultra Durable(TM)5 Plus」に準拠するなど、その出来栄えは極めてハイエンド寄り。通常使用はもちろん、ゲーム向け、オーバークロック向けのモデルとして非常に幅広い守備範囲をフォローしている。1万円台後半で買えるHaswell対応マザーボードとしての作りは秀逸の一言で、同価格帯の他社製品を含め頭一つ抜き出ていると言えるだろう。
むしろ、その充実ぶりは自社直近の上位モデル「GA-Z87-UD4H」や「GA-Z87X-UD5H」を脅かしかねないほどの存在で、「GA-Z87X-UD3H」に人気が集中するのも頷ける。今後もHaswellが現役のうちは、定番であり続ける1枚であることは間違いない。新規でシステムを組み込む際の有力候補として、しっかりと押さえておきたいマザーボードだ。