エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.306
2014.02.28 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
外観をくまなくチェックした後は、期待の内部構造に迫ってみたい。「Performance One」シリーズの主たるコンセプトである「静音PCケース」を基にブラッシュアップされた、新作「P100」の出来映えやいかに。
各エリアの構造、組み込みのしやすさ、工作精度など、「P100」の内部構造に迫る |
内部構造をチェックするために、ここでフロントパネルを取り外しておこう。検証の基本は「外せるものは全て外す」だ。
プラスチック製フロントパネルは、開閉ドアごと取り外す事ができる。さてこれを外す必要があるのだろうかと注意深く観察してみたところ、5.25インチオープンベイを使用するのであれば、回避できない事が分かった。
5.25インチオープンベイのブランクベゼルは、フロントパネルの枠にツメで固定されており、内部からリリースする事になる。さらにシャーシ側2段は共に塞がれており、必要に応じて切り取らなければならない。ちなみに冷却ファンの換装および増設については、防塵フィルタを外すことで作業ができる事を付け加えておこう。
さて着脱方法だが、両サイド3箇所のツメに加え、上下2本のネジ(左右合計4本)でも固定されており、これを取り外さなければならない。「P280」ではツメ固定のみだったはずだが、「P100」は随分と用心深い固定方法が選択されている。
まずはPCケースのスペック上、最も気になるドライブベイレイアウトからチェックを開始しよう。主にSSDやHDDのストレージ格納スペースは、PCケース選びの重要なポイント。構成パーツと折り合いをつけながら、最新作「P100」ではどのように設計されているのだろうか。また自作派の要求を満たす事ができるだけの格納数は確保できているのだろうか。
「P180」で4段、「P280」で3段だった5.25インチオープンベイ。時代の変化と共に需要が減り、新作「P100」では2段とした。代わって2.5/3.5インチシャドウベイを増やす合理的な設計は、多くのミドルタワーPCケースに見られる傾向。ファンコントローラーに代表されるドライブベイアクセサリーが姿を消した事が、その要因である事は言うまでもない。
5.25インチオープンベイは、必要箇所だけ切り取って使用する | |
5.25インチドライブの固定は、ツールフリーのロック機構を装備。ブランクベゼルは片側2つのツメで固定されている |
2.5インチと3.5インチ共用のシャドウベイは全7段を装備する。シャドウベイユニットは固定式で、ドライブトレイ部分のみ、ツールフリーで抜き差しできる仕組み。またドライブの固定は、2.5インチ/3.5インチ共にドライブ底面のネジ穴を使用するネジ留め式が採用されている。さらに駆動振動が発生する3.5インチHDDのみ、ネジ穴部にはシリコングロメットを装備。Antecユーザーにはお馴染みの、弾力性のある乳白色の防振ゴムが装着されていた。
なおドライブの搭載方向は、インターフェイスがマザーボードトレイ背面(右サイドパネル面)に向く横置きレイアウト。ケーブルマネジメントのし易さを考慮した設計は、ミドルタワーPCケースのほとんどが採用するスタイルだ。
2.5/3.5インチ共用シャドウベイは兄貴分「P280」よりも1段多い全7段仕様。7プラッタ6TBのHDDも登場していることから、42TB構成も夢ではない | |
モーターによる駆動振動がある3.5インチHDD固定には、シリコングロメットを採用。専用ネジを最後までねじ込むと、ほどよくフロート状態になる。もはや、Antec伝統のマウント方法と言える |