エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.309
2014.03.19 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
さて、ベンチマークの最後は同じくオンライン系のビッグタイトル「ドラゴンクエストX」のテストをチョイス。グラフィックス設定を“最高品質”にセットして計測を行った。なお、今回はソフトの仕様上、解像度は1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの2パターンとなる。ちなみにこのテストでもBeta版ドライバがうまく動作せず、出荷時の状態に戻すことになった。
ドラゴンクエストXベンチマーク |
Beta版ドライバでの動作はやや気になったが、スコア自体は1,280×720ドットで5,000を上回り「快適」に、1,920×1,080ドットでは「普通」となった。ひとまずフルHD解像度でも問題なくプレイできそうな気もするが、動作が重く感じたら設定を少し見直してあげた方がいいかもしれない。
そして最後に「GX60 Destroyer」の消費電力をチェックしてテストを締めくくろう。各種テストを代表し、「3DMark」“Extreme”プリセットを10分間ループさせた際の最も高い数値を高負荷時、10分間何もせず放置した際の最低数値をアイドル時に設定し、ワットチェッカーによる計測を行った。
消費電力計測 |
GPUのRadeon R9 M290XのTDPが100Wであることから、概ね予想通りの消費電力に落ち着いた。さらに負荷に応じてかなり頻繁に省電力モードへスイッチするため、実際に使用する場合もかなり消費電力を抑えられそうである。ACアダプタは180Wモデルが付属しているが、出力的にも一定以上の余裕をもたせているようだ。
ほんの少し前までは、単に「ゲームをプレイすることもできる」レベルの製品もゲーミングノートの称号を名乗っていたものだが、さすがに洗練された昨今のモデルは出来がいい。単なる基本スペックに留まらず、キーボードやサウンド、ネットワークに至るまで「ゲームのための機能」で固められ、トータルパッケージとしての完成度は下手なデスクトップPCを遥かに凌駕している。特にワールドワイドでゲーミングノートの最先端をゆく、MSI製品のクオリティは白眉の一言。国内に本格上陸してまだ1年余りといったところだが、ハイグレードな搭載機能の数々がすでにシリーズ中の定番と化し、もはや円熟期を迎えているといっていい。
単に「ゲームが動く」では終わらない、ゲーミングマシンとしての完成度が魅力の「GX60 Destroyer」。コストパフォーマンスも高く、Mantleの夢も見れる注目の1台だ |
そして今回「GX60 Destroyer」のテストにおけるハイライトだった、Mantleの効果も十分に可能性を感じさせてくれるものだった。また端緒についたばかりのプラットフォームながら、今後の対応タイトルの増加やドライバの熟成で、さらに旨味を増してくれそうな予感がひしひしと伝わってくる。
もっとも、Mantleを抜きに考えても「GX60 Destroyer」の価格設定とその装備は魅力的。一般的にノートPCはデスクトップPCより割高になるものだが、本機の出来栄えは10万円台半ばから買えるゲーミングマシンの水準を大きく上回っている。実はコストパフォーマンスという視点からも優れた1台、人気モデルの座に収まったとしても意外ではないだろう。