エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.310
2014.03.22 更新
文:GDM編集部 Tawashi
CPUにIvy Bridgeベースの「Core i3-3227U」を採用する「ZBOX ID45」。公称TDPが17Wと低省電力を実現したモデルだが、CPU/GPU一体型冷却クーラーの能力は気になるところだ。そこで、ストレスツール「OCCT 4.4.0」を使った60分間の負荷テストを実施した。
【CPU温度】 検証室内温度20℃/湿度49% |
もともとTDP17Wのために発熱は抑えられているCPUだが、専用のブロアー式ファン採用冷却クーラーによる効果はしっかり出ている。アイドル時(起動後30分間放置)は34℃、100%負荷実行中でも51℃という良好な結果となった。また動作音も非常に静かで、「OCCT 4.4.0」テスト中もアイドル時とまったく変わらない印象だった。
テストセッションの最後はベンチマーク実行中の消費電力を確認していきたい。アイドル時は10分間放置した中で最も低い値、「CINEBENCH R15」と「3DMark」、「OCCT 4.4.0」はそれぞれのベンチマーク実行中で最も高い値としている。
消費電力(W) |
アイドル時で約22W。CPUがフルに動作する「CINEBENCH R11.5」では33.2W、ほぼ同じレベルで「OCCT 4.4.0」実行時でも最大38.3Wに留まっていた。GPUに負荷がかかる「3DMark」では58.2Wを記録したが、これも許容範囲内のレベル。システム全体が非常に省電力で動作しているのがわかる。
「ZBOX」シリーズの中では異色の存在と言える「ZBOX ID45」の特徴は、なんといってもデスクトップPC向けGPUであるGT 640を採用した点だ。検証結果でも明らかとなった、CPU内蔵のグラフィックス機能とはひと味もふた味も違ったポテンシャルを発揮するあたり、特に筆者のようなライトなゲームユーザーにとっては非常に魅力的な存在に映る。高いグラフィックス性能が求められるゲームはプレイしないが、たまには空いた時間でPCゲームを楽しみたい。そんな使い方をするには、ちょうどいい。
正直に言えば、搭載CPUがひと世代前のIvy Bridge、さらにローエンドモデルの「Core i3-3227U」となるため、シーンによってはパワー不足を感じる。ただしCPU内蔵のグラフィックス機能を使わないと割り切り、コストと消費電力を抑えたCPUをチョイス。敢えてGT 640を組み合わせるという構成は面白い。
ゲーム用途まで見据えたメインマシンとして利用するのはもちろん、コンパクトな筺体を活かした2台目以降のサブマシンとして検討する際にも、十分アリな選択肢としてオススメだ。