エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.311
2014.03.27 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
周りの迷惑顧みず、巨大な体躯で周辺のスペースを占有するCPUクーラーを数えればきりがない。お隣同士であるメモリソケットは、これまで実に多くのCPUクーラーから「妨害」を受けてきた。しかし近頃はそんな傍若無人な振る舞いが見直されつつあり、ナロータイプ設計でメモリスロットを上手に避ける製品が増えつつある。
真横から眺めるとナロータイプヒートシンクである事が分かる |
そもそも一般的なCPUを定格運用するにあたって、よほどの事が無ければ巨大CPUクーラーは過剰なチョイスといえる。中型クラスでも冷却効率の最適化により、決して大風量で力任せに冷却させることなく、十分仕事をこなすモデルは多い。メモリ容量を消費するアプリケーションを多用するなら、メモリクリアランスが良好なCPUクーラーを積極的に選びたい。
ここでは「ETS-N30」シリーズとメモリスロットの関係を見るべく、ヒートスプレッダの有無による2種類のメモリを用意し、装着テストを行ってみよう。
まずはヒートスプレッダが無い一般的なメモリを装着してみると、4本のメモリスロット全てにおいて物理的干渉を起こす事は無かった。そもそも「ETS-N30」シリーズは、ヒートシンク部分が3本のヒートパイプにより「高床式」に持ち上げられているため、一般的なメモリの高さをクリアするだけのスペースがあった。
装着テストに用意したGeILブランドのメモリは、高さ30mm。4本のメモリスロットを全て埋められるだけの余裕がある |
次に最も気になる大型ヒートスプレッダ付きメモリでチェックしてみよう。
装着テストに用意したCORSAIR「CMD16GX3M4A1866C9」の高さは公称56mmで、ハイエンドユーザー御用達の「DOMINATOR PLATINUM」シリーズには、お馴染みのヒートスプレッダが装着されている。装着可否について、いかにも事前リサーチが必要な大型サイズだが、ギリギリ全てのスロットにメモリを挿す事ができた。
「DOMINATOR PLATINUM」シリーズの大型ヒートスプレッダ搭載メモリでも、フルバンク利用可能。メモリスロットとの物理的干渉を回避するナロー型ヒートシンクだけあって、25mm厚の冷却ファンも当然ながら計算済み | |
冷却ファン下部が僅かに塞がれる格好だが、冷却能力を大幅に落とすような事はないだろう。どうしても気になるならば、冷却ファンを上部にずらして装着する事も可能 |