オールインワン水冷ユニットを導入してみる

ミニタワーPC構築のパーツ選定をする上で、実に悩ましいのがCPUクーラーだ。現在主流はサイドフロー型だが、「IW-CF02（901）」のCPUクーラー有効スペースは、公称値で高さ130mm。さすがに選択肢は限られてくる。スリム型PCケース向けに用意された、トップフロー型CPUクーラーをチョイスするのも手だが、ここはオールインワン水冷ユニットをオススメしたい。

リアプレートに打ち抜かれた正方形の穴は、やはりただの飾りではなかった

「IW-CF02（901）」の細部をじっくりチェックしていくと、設計段階からオールインワン水冷ユニット導入を前提として開発されている事がわかる。そもそも水冷ユニットは空冷に比べ、大掛かりなシステムというイメージがあるかもしれない。最低でもポンプ一体型ウォーターブロックと冷却ファンを搭載するラジエター、さらに両者を結ぶウォーターチューブが必要だ。しかし最も大型なラジエターさえマウントできてしまえば、ポンプ一体型ウォーターブロックは小型CPUクーラーよりもはるかに小さく、扱い易い。近頃のシステムは冷却能力も高く、スモールPCフォームファクタには最適というワケだ。
　「IW-CF02（901）」は120mmサイズのラジエターが、一体成型の外装パネルリア部にマウントできるよう設計されている。ここでは実際に装着テストを行ってみよう。

リアパネルに打ち抜かれた正方形の穴を利用すれば、120mmサイズラジエターがマウントできる。なおラジエターの固定には付属の「Water cooling system washer」と専用スクリューを使用する。プレート上部が一段下がっているのは、ウォーターチューブの配管用というワケだ

リアプレートを一体成型フレームに固定。120mm口径ファン、ラジエターは外部に露出する形でマウントされる

本体内部から覗き込むと、ウォーターチューブの「通路」がよく分かる。リア92mm口径ファン増設用穴はポンプ一体型ウォーターブロックをPCケース内部に通すために利用。その上にある穴はウォーターチューブ用スルーホールにあたる

ポンプ一体型ウォーターブロックをマザーボードに固定すれば、水冷システムの完成。市販のオールインワン水冷ユニットのチューブ長さえあれば、装着に問題はないだろう。ランドセルを背負うかのような外部ラジエターが少々気になるが、PCケース内部は実にスッキリとした印象。冷却能力に妥協したくなければ、積極的に水冷システムの導入を検討してほしい

黒塗装のシャーシ部と一体成型フレームの隙間を利用すれば、スマートにマウントできると誰もが思うだろう。しかし実測で約60mm程度である事、さらにバックパネルI/Oから伸びるケーブル類と物理的に干渉を起こすため、このスペースは利用できない