エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.315
2014.04.05 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
近頃Mini-ITX規格のマザーボードも、デスクトップPC同等のチップセットを実装するようになり、セカンドPC以降の役割を果たせばいいという概念は取り払われた。CPUはもとより、グラフィックも統合ではなく、別途グラフィックスカードを選択する自作派は少なくない。そこで気になるのは、グラフィックスカードの有効スペースだ。
搭載テスト用に長さ270mmのグラフィックスカードをマウントしてみたところ、かなりの余裕があった。なるほど手元資料を確認すると、およそ300mmまでのグラフィックスカードに対応とある。Mini-ITXフォームファクタ向けPCケースだからといって妥協せず、十分なスペースが確保されていた。
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長さ270mmのグラフィックスカードも楽々搭載できるだけのスペースを用意。パワフルでコンパクトなPCが構築できる |
小型PCケースだからこそ、ケーブルマネジメントは重要。行き場の無いケーブル類を無造作に放置すると、思わぬトラブルの元になりかねない。そもそも「IW-CF02(901)」には「SATA EZ-Swap Module」が標準装備される事で、ケーブルマネジメントには積極的な部類といえる。さらにマザーボードトレイ背面へのケーブルスルーホール、加えて実測約20mmの「裏配線エリア」も用意され、下手なミドルタワーPCケースよりもキレイに配線が出来てしまう。
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Mini-ITX対応だからといって妥協しない「裏配線スペース」。この手のPCケースで実測約20mmの確保は実に優秀 | |
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最後にCPUクーラーカットアウトの開口部を計測すると、実測縦55mm×横50mmだった。搭載サンプルで使用したGIGABYTE「GA-F2A88XN-WIFI」搭載のバックプレートも余裕をもって避けきれている |
今回検証を行った新作PCケース「IW-CF02(901)」も既存モデル同様、なかなか見応えのある製品に仕上げられていた。相変わらず完成度も高い。
In Winブランド一連のデザインPCケースシリーズとしては外観上、はじめてオーソドックスなタワー型PCケーススタイルを採用した。しかし細部をチェックしていくにつれ、またしてもIn Winと感心させられる仕掛けの数々は、実に小気味よく楽しい。
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In Winのデザイナーは、自作の楽しさを知っている。そして彼らが生み出す製品は、機能的だけでなく遊び心を忘れない。お世辞にも安価とは言い難いが、十分に所有欲を満たし、ちょっと誰かに自慢したくなる。蛇足ながら個人的なリクエストを付け加えると、サイドパネルをアルミニウム製に付け替え、無機質さを強調してみてはどうだろう。バリエーションモデルやオプションでの展開を是非検討して頂きたい。