エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.317
2014.04.13 更新
文:GDM編集部 Tawashi
それではまず「BRIX Pro」を語る上では不可欠な、グラフィックス機能「Iris Pro 5200」から簡単に解説しておこう。
Haswell世代が内蔵するGPUのGraphics Levelとブランド名。その中で「Iris Pro 5200」は最上位に位置付けられる | |
モバイル向けHaswell。1つのCPUパッケージ上にCPU+eDRAMを搭載するマルチチップとなるのが特徴。「BRIX Pro」が搭載する「Core i7-4770R」も同様の構造と思われる |
「Iris Pro 5200」は、CPU「Core i7-4770R」統合のグラフィックス機能。Haswell世代の統合グラフィックス機能には、グラフィックスレベルが「GT1」「GT2」「GT3」(15W)「GT3」(28W)「GT3e」までの5段階が用意されているが、「Iris Pro 5200」は最上位に位置する「GT3e」を採用する。前世代の内蔵グラフィックスから2倍の性能とされる「GT3e」は、CPU/GPUのキャッシュとして使用できるeDRAMを内蔵するのが特徴。ひとつのCPUパッケージ上にはCPUとeDRAMの2つのダイを搭載している。なお、「Iris Pro 5200」の定格周波数は200MHz、最大周波数は1.3GHzだ。
GPU-Z 0.7.7の結果。「Iris Pro 5200」は、定格周波数は200MHz、最大周波数は1.3GHzで動作。Haswell世代が内蔵するGPUとしては最高スペックを誇る |
やや前置きが長くなってしまったが、ここからは「BRIX Pro」の検証を開始しよう。従来モデルと差別化を図ったレッド&ブラックのツートンカラー筐体は、外形寸法W111.4×D114.4×H62mm。SATA3.0(6Gbps)対応2.5インチベイを備えるため、従来モデルより厚みが増しているものの、手のひらに載るコンパクトサイズは健在だ。
デバイスマネージャーを確認。4コア/8スレッドの「Core i7-4770R」と「Intel Iris Pro Graphics 5200」を認識していることが分る |
ハードウェアスペックは、CPUはIntel Iris Pro Graphics 5200を内蔵する「Core i7-4770R」(4コア/8スレッド/定格3.20GHz/TB時3.90GHz/キャッシュ6MB/TDP65W)を搭載。メモリスロットは「Core i7-4770R」がDDR3L-1333/1600を正式サポートする事から、DDR3L SO-DIMM×2(1,333MHz/1,600MHz、最大16GB)を装備する。なお動作電圧が1.35Vの低電圧版メモリモジュールのみに対応する点には注意が必要だ。
拡張スロットはmSATA×1、SATA3.0(6Gbps)×1で同時利用が可能。さらにminiPCI-Express×1を備えるが、こちらは無線LANモジュールを実装済み。ディスプレイ出力はHDMI×1、miniDisplayPort×1で、インターフェイスはUSB3.0×4(フロント+リア)、SPDIF×1、ネットワークはギガビット有線LAN、IEEE 802.11b/g/n/ac無線LAN、Bluetooth 4.0を備える。なお製品には75×75/100×100mm対応のVESAブラケットが付属。VESA規格の液晶ディスプレイや大型液晶テレビの背面に取り付ける事ができる。
ベアボーンで提供される「BRIX Pro」は、2.5インチタイプのSSD/HDDとmSATA対応SSD、DDR3 SO-DIMMメモリ、OS等を別途用意する必要がある。