エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.318
2014.04.17 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
最後は、こちらもオンラインの人気タイトルから「ファンタシースターオンライン2」のベンチマークテストを実行。品質設定はプリセットの「簡易描画設定」を最大の“5”にセットし、1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの2パターンの解像度で計測を行った。
ファンタシースターオンライン2ベンチマーク |
GTX 750 Ti同士の比較でも安定して27%前後のスコア差を叩き出しており、オーバークロックの効果は大きい。さらに前世代モデルとの比較に目を移すと、どちらの解像度でもダブルスコア以上の結果をマークするなど、パフォーマンスにかなりの違いが出ている。プレイするタイトルによっては、新世代モデルへの換装は相当な恩恵をもたらしてくれるようだ。
実働テストが一段落したところで、本項では搭載クーラー「WINDFORCE™ 2X」に視点を移し、そのポテンシャルを検証してみよう。「3DMark」“Extreme”プリセットの「Combined test」を10分間ループさせ、その際の最大値を高負荷時、逆に10分間何もせず放置した際の最低数値をアイドル時に設定。「GPU-Z 0.7.7」によるGPU温度とファン回転数を確認してみることにした。
GPU温度計測 | |
ファン回転数計測 |
まず「GV-N75TWF2OC-2GI」と「GV-N65TOC-2GI」を見比べてみると、クーラーの動作ルールには世代間でやや違いがあるようだ。「GV-N65TOC-2GI」では回転数を低く抑えることを最優先しており、「GV-N75TWF2OC-2GI」では回転数を増すことで、高負荷時でも40℃台という驚異的な低温動作を実現している。ただし回転数が増したとはいえ、ファン稼働率は30%半ばと余裕十分。バラック状態でもファンの稼働を意識するシーンはまったくない。
なお、リファレンスクロックとの比較では。GPUコア温度・ファン回転数ともにほぼ誤差の範囲内。パフォーマンスアップの効果に比べ、発熱や騒音の観点において、オーバークロックのデメリットは存在しないようだ。
最後はベンチマーク中における消費電力をチェックしつつ、検証を締めくくろう。動作クロックの差や前世代モデルとの間では、どの程度消費電力の増減が出てくるだろうか。上記同様、高負荷環境に「3DMark」“Extreme”プリセットの「Combined test」を10分ループ、放置した際の最低値をアイドル時に設定して計測を行った。
消費電力計測 |
アイドル時はすべて横並びのため割愛するとして、高負荷時はGTX 750 Tiの低消費電力特性がはっきり現れる結果となった。動作テストではかなりの性能差を証明していただけに、そのワットパフォーマンスはさすがのひと言。そしてリファレンス比でもほとんど違いは見られず、GIGABYTEは「GV-N75TWF2OC-2GI」にかなりバランスのよいチューニングを施していることが分かる。
昨今の“ゲーミング標準”といえるフルHD解像度での快適プレイを達成、さらに圧巻な低消費電力性能をミックスし、GTX 750 Tiはミドルレンジモデルとして理想的な進化を遂げたと言える。大きな性能向上を果たした前世代との比較でも消費電力はさらに低下しており、電源を買い換えたくない向きには換装に最適な選択肢。さすが発売直後から人気に火がついただけのことはあり、これまでになく“買い”な要素を完備した中堅モデルだ。
優秀なクーラーに補助電源を備えた強OC仕様。「GV-N75TWF2OC-2GI」は、今旬なミドルレンジGPUの有力な鉄板モデルだ |
中でもクラス最高レベルのオーバークロックが施された「GV-N75TWF2OC-2GI」は、パフォーマンス志向のミドルユーザーにピッタリ。“ツルシ”の状態でも十分違いを実感できるのはもちろん、現状を叩き台に手ずからカスタマイズを楽しんでやろうという向きには、補助電源コネクタの存在が効いてくる。確かに「補助電源なし」はGTX 750 Tiの大きなトピックだが、「カツカツは不安」「ちょっとくらい遊ぶ余裕がほしい」という欲張りなユーザーには、堅実で速い「GV-N75TWF2OC-2GI」がひときわ魅力的な選択肢になるハズだ。