エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.323
2014.05.02 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕/池西 樹(テストセッション)
2013年創立の新興メーカー「RAIJINTEK」。自作PC業界の「風雲児」となれるのだろうか |
台湾の新興メーカー、RAIJINTEKが日本市場に上陸を果たした。3月26日付けプレスリリースにより、株式会社アイティーシー(本社:東京都千代田区)の国内代理店契約締結が発表され、第1弾として薄型トップフロー「PALLAS」(型番:OR100004)とナローヒートシンク採用のサイドフロー「THEMIS」(型番:OP105255)がデビュー。これを追いかけるように第2弾として、今回の主役NEMESIS(型番:OR100001)が4月25日に発売された。(「EREBOSS」(型番:OP105250)および「THEMIS Evo」(型番:OP105245)も同時発売)
PALLAS | THEMIS |
2013年に設立されたRAIJINTEKは執筆時点(2014年4月現在)、複数のCPUクーラーと冷却ファンが発表されており、既に欧州市場などでは販路を拡大。海外の自作パーツ系情報サイトでも話題になっていた。
そもそもRAIJINTEKには、Cooler MasterやXIGMATEKに在籍していたメンバーが参加しており、将来的にはPCケースや電源ユニット、水冷クーラー等をラインナップに加えていくとされている。なるほどWebサイトを見ると、既に「CHASSIS」「PSU」「ACCESSORIES」等のタブが準備されており、参画STAFFの著名メーカーでの実績を生かしたラインナップに高い注目が集まっている。
RAIJINTEKは、日本市場を「重要な地域」と位置付けているという。こと品質にシビアなマーケットとして知られているだけに、日本で成功することは、その他市場においても勝算がある事を意味する。そんな「試金石」的な日本市場への参入にあたり、まずは良い製品を適正な価格で販売する事を重視。さらにRAIJINTEKのポリシーとして、「パフォーマンス」「デザイン」「品質」の3つを掲げ、「価格・性能ともに市場を驚かせる製品を投入していく」としている。なお6月に開催される「COMPUTEX TAIPEI 2014」の出展も決まっており(Nangang Exhibition Hall I0302)、ブースにはPCケースや水冷クーラー、電源ユニットの投入が予告されている。
今回取り上げるRAIJINTEK「NEMESIS」は、いかにもオーバークロッカー向けの大型サイドフロー型CPUクーラー。放熱フィンはアルミニウム製で、ニッケルコーティング加工が施された銅製受熱ベースとφ8mmヒートパイプ5本で構成。ご覧の通り、その出で立ちは迫力満点だ。
RAIJINTEK「NEMESIS」 市場想定売価税抜7,800円 製品情報(RAIJINTEK)(株式会社アイティーシー) |
また冷却ファンは、RAIJINTEKのコーポレートカラーであるレッド色のフレームを採用。形状は150×140mm(H25mm)の異型スクエアで、ツインタワー型ヒートシンクの間にサンドイッチ・マウントさせたデュアル構成。空冷最強クラスの重量級モデルとして今年2月に発表され、先日国内市場においてデビューを果たした。
RAIJINTEKの国内正規代理店に就いた株式会社アイティーシーの製品情報サイトを見ると、「機能改善等の理由により、予告なく機能及び仕様が変更される場合があります」というお断りが記されている。製造ロットが重なるにつれ、小変更が加えられることは、自作PCパーツではよくある話。しかし「NEMESIS」はファーストロットから変更が加えられているのだ。
国内流通モデルは通常付属しない冷却ファン固定用ワイヤークリップが1組追加され、ヒートシンクにはそれを引っ掛けるための切り込みが設けられている。このうれしい「改良」により、冷却ファンを別途用意すれば、トリプルファン構成で強力なエアフローを得る事ができるというワケだ。
なおこの変更は国内流通モデルから適用されており、今回お届けする検証は、あくまで初期型の「製品サンプル」であることをお断りしておく。
国内流通モデルでは、冷却ファン固定用ワイヤークリップが付属。別途冷却ファンを1基用意すれば、トリプルファン構成にすることができる |