エルミタ的一点突破 Vol.31
2014.05.08 更新
文:GDM編集部 池西 樹
次にデジタル騒音計を使い、動作音を確認してみよう。測定は回転数テストと同じく「CPU温度計測」時に実施。なお室内の暗騒音値は31.2dBAだった。
騒音値(室内温度23.4℃/室内騒音値31.2dBA) 3.50GHz:1.145V/4.20GHz:1.149V |
定格時はアイドル35.3dBA、高負荷時でも38.9dBAとその差は僅か3.6dBA。耳に聞こえてくるノイズの違いも小さく、常に静音状態を維持したまま動作する。一方高負荷時は、回転数に比例して、騒音値も最大44.7dBAへと大幅に上昇。さすがにバラック状態では、風切音が少々耳につくが、冷却性能とのトレードオフと考えれば納得できるレベル。ケースに収納して、机の下に配置してしまえば他の音に紛れてしまうだろう。
定格動作時/高負荷時のポイント別温度計測結果 |
テストセッションの最後は非接触型温度計による、ヒートシンクのポイント別温度計測結果を確認していこう。最も温度が高かったのは、当然ながらCPUに最も近いマウンティングバー部分で29.9℃。そして最も温度が低くなったのは、熱源から遠い、拡張スロット側最上段の22.4℃だった。温度分布を見る限り、「中心から側面へ」「下から上へ」移動するに従い温度が低下し、ヒートパイプを使い綺麗に熱が拡散している様子が伺える。
サイズとしては久しぶりとなる92mmファン搭載サイドフローCPUクーラー「巽」。「ナロータイプフィン構造」という冷却的には不利な構造にも関わらず、ライトチューニングまでカバーするパフォーマンスは秀逸。メモリスロットとの干渉もクリアされており、高クロックメモリが動作するIntel Z87 Expressシリーズや、メモリクロックによるパフォーマンス向上が著しい、AMD APU環境との組み合わせも面白い。
さらに92mmファン採用により、高さへの制約が大幅に緩和されているのもアピールポイント。全高に限りがあるCube型Mini-ITXケースにも余裕を持って実装でき、近頃人気のコンパクトゲーミングPCにはまさにうってつけ。価格も3,000円強と安価なため、リファレンスクーラーからのアップグレードとしてもオススメだ。
サイズ「巽」総合評価 | |