エルミタ的一点突破 Vol.32
2014.05.10 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
次にデジタル騒音計を用い、動作音を計測してみる。言うまでも無く、動作音は冷却ファンの回転数に依存するだけに、先の冷却ファン回転数計測結果と見比べながら数値を見てほしい。なお計測した室内騒音値は29.9dBAだった。
室内騒音値29.9dBA(室内温度17.5℃/湿度44%) 3.50GHz:1.12V/4.20GHz:1.22V/4.4GHz:1.31V |
3パターンいずれのクロックも、アイドル時は30.7~30.9dBAで十分に静音レベルの高い状態。3.50GHzと4.20GHzの高負荷時はそれぞれ34.9dBAと37.6dBAとなり、まだ30dBA台がキープされている。なお4.40GHzでは40.8dBAを計測。さすがに騒音値は耳につくレベルだが、決して常用に耐えられないという事では無い。
最後にヒートシンクのポイント別温度を計測してみた。もっとも熱が低かったのは、メモリスロット側ヒートシンク上部右端の22.0℃。熱源から最も遠い部分だけに、当然の結果といえるだろう。一方で最も熱が高かったのは、最低温度を示した右端の下部で30.5℃になっている。今回のテストは、4.20GHz高負荷時の数値だが、ヒートパイプの熱移動と、放熱フィンへの拡散は満遍なく行われている印象で、ヒートシンク全体に熱が行き渡る理想的な冷却機器の性格である事が分かった。
4.20GHz動作/高負荷状態15分経過時のポイント別温度計測結果 |
既存モデル「NH-D14」の世代交代を任された「NH-D15」は、Noctuaが慎重かつ念入りに開発とテストを重ねて市場に送り出されただけあって、非の打ち所がないほぼ満点の「作品」だった。現時点、空冷の冷却能力をほぼ限界まで引き上げる事に成功した「NH-D15」は、今後リリースされるであろう派生モデルを含め、しばらくの間はNoctuaの屋台骨を支える事になるだろう。ハイエンド志向の自作派を納得させるだけのポテンシャルは十分に備わっている。
Noctua「NH-D15」総合評価 | |