エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.328
2014.05.20 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
SAPPHIRE「VAPOR-X R9 270X 2G GDDR5 PCI-E DVI-I/DVI-D/HDMI/DP WITH BOOST & OC VERSION(UEFI)」(型番:11217-00-40G) 実勢売価30,000円前後 製品情報(SAPPHIRE TECHNOLOGY LIMITED) |
AMDのアッパーミドルGPU「Radeon R9 270X」。新生R9/R7シリーズ発表時にリリースされたGPUで、フルHD環境では最高レベルの品質でプレイできるのが魅力だ |
まず本題に入る前に、AMDのアッパーミドルに位置するGPU Radeon R9 270Xについておさらいしておこう。新生RadeonことRadeon R9/R7シリーズが産声を上げたのは昨年10月のことだが、R9 270Xはその時最初に詳細情報が解禁された5つのGPUの内の1つだった。
動作クロックは最大1,050MHz、ストリームプロセッサ数1,280基で、グラフィックスメモリは256bitインターフェイスのGDDR 2GB/4GBを実装する。恐らくほとんどのゲーマーがプレイ環境としているであろうフルHD環境にフォーカス、AMDが「フルHD解像度を最高品質のグラフィックス設定で楽しめる」と定義するGPUだ。市場で多数派を形成するミドルレンジユーザーにとっても、購入のターゲットにしやすい存在といえるだろう。
ユーザー層の厚いミドルレンジのグラフィックスカードともなれば、各メーカーともに矢継ぎ早に多数のモデルをリリースすることは、ある種の慣例のようなもの。SAPPHIREも限定モデルを含め、Radeon R9 270X搭載グラフィックスカードは5モデルをラインナップ。今回取り上げる「VAPOR-X R9 270X 2G GDDR5 PCI-E DVI-I/DVI-D/HDMI/DP WITH BOOST & OC VERSION(UEFI)」(以下「VAPOR-X R9 270X」)は、その中で上から2番目という立ち位置で、ミドルレンジのスペックにハイエンド匹敵の装備を身につけている。
静音・高冷却で定評のある「Vapor-X」クーラーを標準装備する「VAPOR-X R9 270X」。スペックはGPU・メモリクロックをチューンしたOC仕様となっている |
その最大の特徴となるのが、ベイパーチャンバーを採用する「Vapor-X」クーラーだ。カード全体を覆う巨大なヒートシンクを90mm径のデュアルファンで冷却する機構で、GPUやメモリ、電源周りを効率よく冷却してくれる。また、きわめて静粛に動作することから、静音マシンを構築したいというニーズにも応えてくれる。
そしてブーストクロックは1,100MHz(リファレンス1,050MHz)、GDDR5 2GBを実装するメモリクロックも5,800MHz(リファレンス5,600MHz)へとチューンされたオーバークロック仕様。パフォーマンス面でもリファレンスを凌駕した働きが期待できるだろう。
AMD系グラフィックスカードでは珍しくブルーが配色されたパッケージを採用。OC仕様や「Vapor-X」クーラー、UEFIのサポートなどが謳われている | |
パッケージの外形寸法はW375×D100×H247mm。ハイエンド並の大きさで、電源変換ケーブル、DVI変換、CrossFireブリッジ、HDMIケーブルなどが付属している |