エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.330
2014.05.28 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
外装パッケージから本体を取り出し、「Node 804」の外観デザインからチェックを開始しよう。側面に本体のイラストが描かれた茶箱に、上下をスチロールで保護された状態で梱包されている「Node 804」。MicroATX対応だけにCube型PCケースとしてはやや大柄な印象だが、さすがにミドルタワーPCケースに比べれば扱いは楽。箱をひっくり返して本体を取り出すというような作業は無用だ。
Fractal Designの製品は、機能性や拡張性だけではなく、容姿への気遣いに余念がない。基本スタイルは余計なデコレーションを嫌い平面を多く取り入れており、上質で洗練された趣きがある。
今回の主役「Node 804」も例外ではなく、オープンベイがなく僅かに湾曲したフロントパネルの下部には通気口が設けられている。素材はプラスチック製ながら、チープな印象は微塵もない。
窒息系密閉型にも見えるフロントパネル。その実、下段はメッシュ仕様で通気性が確保されている。なお正面右にはFractal Designのロゴがさりげなくあしらわれていた | |
トップパネルを外した状態でフロントパネルを見ると、かまぼこ形に緩いカーブが付けられている事が分かるだろう。なお固定はプッシュピンによるもので、工具いらずで容易に着脱ができる |
フロントパネル右側面に目を向けると、POWERスイッチを中心に、上部にヘッドホン/マイクの各端子、下部にUSB3.0ポートが2口レイアウトされている。ちなみにRESETスイッチは存在しない。また上部にはスリットが設けられており、スロットイン式の薄型光学ドライブ搭載時にはディスクの出し入れができるようになっている。
フロントパネルデザインを優先し、各種ポート類およびPOWERスイッチ、光学ドライブの出し入れは右側面にレイアウト。これらの操作を有効にするには、右側壁面には設置ができない事になる | |
フロントアクセスポート裏。雑になりがちだが、コネクタおよび基板は丁寧に作られている |
両サイドパネルはハンドスクリューにより固定。左側は開口部が広いアクリル窓仕様で、マザーボードをいつでも眺めることができる。なお右側サイドパネルは窓無し。いずれも四方は折り返しにより強度が保たれ、自重で曲がってしまうような事はない。
左側は開口部約W250×H210mmのアクリル窓仕様。スチール製の両サイドパネルは、共に面積が小さいながらも重量があり、駆動振動により共鳴するような事はないだろう |
Cube型PCケースの泣き所でもあるエアフローだが、「Node 804」ではトップパネルをほぼ全面メッシュ仕様にする事で、排気能力を稼いでいる(吸気でもよし)。プラスチック製トップパネルは、背面2本のハンドスクリューで固定。容易に着脱が可能だ。取り外したパネル背面を見ると、鎧戸のように”ひさし”が設けられ、内部には防塵対策用のスポンジが敷き詰められていた。
プラスチック製トップパネルはメッシュ仕様。容積の狭いCube型PCケースだけに、通気性の確保は重要。ただしPCケース上部に物を置くことはできない |
PCケースの「楽屋裏」となるリアパネルを観察すると、おおよその内部設計を読み取ることが出来る。「Node 804」のような「設計の妙」を売りにするモデルは、PCケースの一般常識から逸脱しており、実に興味深い。
早速眺めてみると、左右両側に冷却ファンが標準で装備されており、中心部にはバックパネルI/Oのスペースが設けられている。さらにその下には拡張スロットが位置することから、マザーボードトレイはPCケースのセンター部にレイアウトされているというワケだ。なお電源ユニットは左側冷却ファンの下に開口部がある事から、マザーボード背面エリア側にボトムマウントする格好だ。
通常マザーボードトレイ裏に約20mm程のスペースを設けてサイドパネルが固定されているが、「Node 804」はこの常識がまったく当てはまらない。少なくとも今回のレビューでは、裏配線スペースの計測は不要のようだ |
リアパネル同様、ボトム面からも「Node 804」の特異な設計が感じられる。リアパネル右側の延長部に相当するボトム部には、縦に長い通気口が設けられている。開口部に沿って皿もみされたネジ穴がある事から、冷却ファン増設用と考える事ができる。また左側にも奥行きが短い通気口があり、リアパネルの様子から、電源ユニットの冷却ファン吸気用である事が分かる。
無駄なく活用されているボトム面は、通気性を確保するメッシュ仕様 | |
底面左右の開口部には、それぞれスライド着脱式防塵フィルタが装備されている。ちなみに電源ユニット下部の防塵フィルタは内側に向かってスライドさせるため、取り外しにはPCケースをひっくり返す必要がある | |
設置面には弾性素材のラバーが装着されている。駆動振動を吸収するだけでなく、滑り止め効果も期待できる |