実際に組み込んで分かったこと

ここからは「RAVEN 5」にPC構成パーツ一式を組み込み、実践ならではの気が付いた点や分かった事、気になるところを解説していこう。一般的なPCケースとは明らかに違うオリジナリティが魅力の「RAVEN 5」。組み込み易さや各パーツの居住性等に注目したい。

各種ドライブのマウント方法確認

「RAVEN 5」のドライブ収納力をおさらいすると、スリム光学ドライブベイ×1、3.5インチシャドウベイ×2、2.5インチシャドウベイ×2だ。ミドルタワーPCケースとしては少々おとなしい印象だが、大容量ストレージが手頃な価格で入手できるため、パーツチョイスで十分カバーできるだろう。

スリム光学ドライブはスロットインタイプのみに対応。専用ユニットには上側面2個のネジで固定する。なおマウントにはユニットを一旦取り外す必要がある
2.5インチシャドウベイは、SSD側面のネジ穴を使用しての固定。片側はネジ穴に突起を合わせるだけ。もう片方はミリネジでしっかり固定しておこう
3.5インチシャドウベイは一風変わったツールフリー仕様。シャドウベイユニットにはHDDと接触する側面部と上面部に「ラッチ機構」が装備され、ドライブを挿入するとロックされる仕組み。なかなか斬新なアイデアだ
	ABS樹脂製のシャドウベイユニットにある複数の切り込みが「ラッチ機構」。これだけでは心許ないという場合、片側1箇所のみネジ穴も用意されており、補強しておく事も可能。PCケース本体を移動させる場合等は特にネジ固定をオススメしたい

電源ユニットを搭載してみる

マザーボード90°回転レイアウトにより、本体リア寄り上部に“吊り下げ式”でマウントされることになる電源ユニット。重いもので2kgを超える重量物だけに、マザーボードを取り付ける前に確実に固定しておきたい。なお組み込み検証に用意した電源ユニットは奥行き140mmのショートタイプ。内部の混雑具合を見るため、敢えて非プラグインタイプをチョイスした。

重量物を天井吊り下げにするため、省略しがちな電源ユニットのネジ固定は、しっかりと行う必要がある。またトラブルを避けるためマザーボード搭載前に、本体を寝かせて作業したい
搭載スペースをチェックしたところ、同一ラインに位置する3.5インチシャドウベイユニットまでの距離は実測190mm弱といったところ。奥行き140mmの非プラグイン式電源ユニットは難なく収まっているものの、余ったケーブルを収めておくほどの余裕はない。なおSilverStoneの推奨では、奥行き160mm程度とされている
	トップハンドルにあった穴の正体は、「ドライバーのシャフトを通すため」が正解。良いPCケースの条件として、組み込みのし易さは重要なポイント。ユーザビリティに対するSilverStoneの構えはトップクラスといえよう