エルミタ的一点突破 Vol.338
2014.07.03 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
最後はオンラインの大型タイトルから、スクウェア・エニックスのMMORPG「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」のベンチマークテストを使用する。品質設定は“最高品質”で、解像度は1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの2パターンにセットして計測を行った。
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編 |
まず結果から言えば、低解像度で「非常に快適」の7,000超え、フルHD解像度でも「快適」となる4,500前後のスコアをたたき出している。ただしスコア差という意味ではほとんど横並びのため、この場合はあえて“OC mode”にする必要はなさそう。タイトルによっては、静音志向の“Silent mode”でもパフォーマンス面で引けを取らずにプレイできるというワケだ。
検証の締めくくりとして、「GAMING App」による簡易チューニングで消費電力にどの程度の影響があるかを調べてみよう。ストレスベンチマークテスト「OCCT 4.4.0」を使用し、10分間動作させた際の数値を高負荷時、何もせず放置した際の数値をアイドル時として、ワットチェッカーによる計測を行った。
消費電力計測 |
“OC mode”ではGPUクロックが最高の1,080MHzに張り付いたままだったため、アイドル時の消費電力は2倍近く開いている。それでいてCPU 200MHz、GPU 30MHzの差がつく高負荷時の違いは微々たるもので、ゲームプレイ中の影響はほとんどなさそうだ。ただしアイドル時の挙動をみるに、パフォーマンスが不要な時は別なモードにスイッチしておいた方がよさそうだ。
「小さいのに高性能」とはやや使い古されたキーワードだが、昨今のMini-ITXフォームファクタにはそれを体現する意欲作が多い。優秀な前世代からその地位を引き継いだ「Z97I GAMING AC」もその一角で、170×170mmの限られたスペースに豪華な機能を集約。フルサイズのハイエンドから相応に規模を縮小しつつも、Killer NICや優れたチューニング機能、オンボード最高峰のオーディオ回路など、ゲーミングシーンで要求されるすべてがきれいに詰め込まれている。無駄を削ぎ落したMini-ITXのコンセプトと、ゲーミングマシンのような一点集中のコンセプトマシンとは、そもそも相性がいいのかもしれない。
170mm四方の極小サイズでハイエンドを目指す、「Z97I GAMING AC」はそのコアにピッタリ。そこへMini-ITXのためにあつらえたグラフィックスカードがあれば最高だ |
さらに今回テストに使用した「R9 270X GAMING 2G ITX」のように、Mini-ITXのコンセプトに共鳴するグラフィックスカードの存在も大きい。最大の魅力であるサイズ感を大事にしつつ、パフォーマンスにも妥協なくこだわることができる。極小サイズのパッケージで最強マシンが目指せる「Z97I GAMING AC」は、自作の楽しさをあらためて教えてくれる1枚だ。