エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.341
2014.07.16 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
GIGABYTE「GA-Z97X-Gaming 7」 実勢売価19,800円前後 製品情報(日本ギガバイト株式会社) |
まさしく遅れてやってきた主役、という言い方がピッタリかもしれない。Intelプラットフォームの世代交代に一歩遅れて、“Devil’s Canyon”こと「Core i7-4790K」と「Core i5-4690K」が6月26日にデビューした。3月時点ですでに事前リリースが打たれており、Haswell Refresh世代の倍率アンロックモデルとして、発売のかなり前から本命視されてきた。
まず手始めに仕様を軽くおさらいすると、従来のHaswellから基本設計を踏襲しつつ動作クロックが向上した。Intel製CPUとして初めて4GHzの大台に到達。Haswell世代のCore i7-4770K(3.5GHz/TB時3.9GHz)に比べ、上位モデルのCore i7-4790Kは定格4GHz/TB時4.4GHzへとクロックが引き上げられている。
本命視されていた倍率アンロック仕様の“Devil’s Canyon”が登場し、Haswell Refresh世代もいよいよ本番。動作クロック向上をはじめ、前世代から様々な改良点が盛り込まれている |
さらに目に見えるスペック以外で見逃せないのが、ダイとヒートスプレッダを接合するTIM(Thermal Interface Material)の改良だ。従来のソルダリング(ハンダ付け)から充填剤がグリスに変更されたことから、Haswell世代で“殻割り”が(エンスー向けに)流行したのは周知の通り。熱伝導の面でオーバークロックのボトルネックになるためだが、Devil’s Canyonではポリマーベースの新しいTIMが採用されている。
加えてバイパスコンデンサの増加による電源供給の安定化など、オーバークロック面への手当ては万全。自在なチューニングを可能にする、ゲーミング/OCマザーボードがより真価を発揮できるようになったというワケだ。
“Devil’s Canyon待ち”の人も多く、発売時はアキバでも大きな話題に。特に“殻割り”流行の原因になったTIMの改良には注目が集まり、店頭では比較のデモも行われた |
Intel Z97 Expressを搭載する、GIGABYTE「GA-Z97X-Gaming 7」。ゲーマー向け「G1 Gaming」シリーズの製品で、ネットワークやオーディオ機能の充実に重点が置かれている |
「G1 Gaming」「OC Series」「Ultra Durable」の3本柱からなるGIGABYTEのマザーボードラインナップは、実に30モデル以上。ただしモデル選択を容易にする狙いから、シリーズごとに明確な差別化が図られているのも特徴だ。今回の主役「GA-Z97X-Gaming 7」が属する「G1 Gaming」は文字通りゲーミング向けに特化したシリーズで、ネットワークとオーディオ機能が一際充実している。
ネットワークチップには、全モデル共通でゲーマー御用達NICことQualcomm「Killer E2201」を採用。オーディオ機能は低ノイズなオーディオチップや高出力アンプ、音響コンデンサから構成される「G1 Audio」を搭載する。
もちろんマルチグラフィックスへの対応も抜かりなく、2-WAY SLIおよび3-WAY/2-WAY CrossFireXをサポート。さらにシリーズ中でもストレージが充実しており、10Gbps転送の最先端インターフェイス「M.2」と次世代SATAポート「SATA Express」も合わせて実装されている。SATA3.0(6Gbps)も合計8ポート備え、ストレージ面でも強力なマシンが構築できるだろう。
Intel 9シリーズから、パッケージもよりキャッチャーなデザインに変更。グラフィックスカードでおなじみな「瞳」が中央に大きくレイアウトされている | |
パッケージ裏面は各種“オシ”な機能群を一堂に解説する賑やかな内容。ちなみに付属するI/Oパネルは、ゲーミングモデルを意識したブラックカラーが採用されている |