エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.342
2014.07.23 更新
文:GDM編集部 池西 樹
「OCエンジン」の肝となるIDT「6V49325NLG」。本チップによりクロックを生成することで、柔軟なBCLKを実現する |
Haswell以降のCPUでは、BCLKを100MHz/125MHz/167MHzの3段階に切り替えることができるが、規定クロック以外ではPCI-Expressの動作クロックが100MHzを維持できず、安定動作が難しい。そこでMSIでは、「OCエンジン」と呼ばれるチップを別途実装することで、柔軟なBCLK設定を可能にしている。そこで今回は、Core i7-4790Kを使い、どこまでBCLKを引き上げることができるのかチェックしてみることにした。
BCLK100MHz(定格) | BCLK125MHz |
BCLK167MHz | BCLK188MHz |
まずHaswell Refreshが対応している、125MHzと167MHzに調整したところ、いずれも問題なく動作した。そこで166MHzをベースに、BCLKをさらに引き上げたところ、180MHzまではOSが起動、ベンチマークも完走できた。BCLKを変更すると、メモリクロックやGPUクロックも連動して上昇するため、倍率変更に比べるとやや作業は煩雑になるが、少しでも動作クロックを引き上げたい場合には、有効な手段となるだろう。ちなみに、100MHzと125MHzの中間クロック112.5MHzや、125MHzや167MHzの中間クロック146MHzの設定も試しているが、いずれも動作に問題がなかったことを付け加えておく。
ここからはCore i7-4790Kを使い、実際のオーバークロックに挑戦していくことにしよう。今回の検証では「OC Genie 4」による簡易オーバークロックに加え、手動設定でCPU倍率とコア電圧を調整し、各種ベンチマークテストが完走できる設定を探ることにした。
「OC Genie 4」は、4.40GHz駆動の“Gear 1”のみ安定動作 | 手動設定では、コア電圧を1.380Vまで引き上げることで4.70GHzまでは安定動作した |
「OC Genie 4」によるオーバークロックは、4.40GHz駆動の“Gear 1”は安定動作。しかし4.50GHz駆動の“Gear 2”では、OSの起動まで辿りつけなかった。また手動設定では、コア電圧を1.380Vまで引き上げることで、4.70GHzまではOS、ベンチマークとも完走。しかしこれ以上は、BCLKの調整や電圧を1.50Vまで引き上げても、ベンチマークが完走せず、今回は断念することにした。