エルミタ取材班が行く
2014.08.04 更新
文:GDM編集部 Tawashi
信頼性検査セクションのスタッフはベテランが多い |
めでたく完成したPCに待っているのが、信頼性検査だ。ここでは、自社開発による自動検査システムを導入。セットアップから検査ツールによるチェックまでを、ほぼ自動で行うことができる。担当者が「ここで検査が終了したPCの電源を切ると、次に電源を入れるのはお客さま。その時、最高の環境を提供できるようにするのが我々の役目です」と語り、非常に重要なセクションである事が分かる。
デスクトップPCは7台が1ユニットになって管理されている。搭載されているケージにはキャスターが付いており、全行程をユニット単位で移動していく |
デスクトップPCのチェックは、7台が1ユニットで行われる。全てが同一環境になるよう、検査システムも最適化されているほか、画面の出力やサウンドチェックなどは1台1台をスタッフ自ら行う仕組みだ。これらの検査には約120分かかるという。加えて、現在検査中のPC全てを一括管理している端末があり、ベテランスタッフが逐一監視。問題あった場合は即座に対応できるよう、2重3重の管理体制で不具合防止に努めている。
信頼性検査セクションの司令塔はこのひと。現在検査中のPC全てを一目で把握できる端末を担当している |
また、GALLERIAシリーズのハイエンドモデルや法人向けのサーバー/ワークステーションモデルといった、他のPCと比べて特殊なパーツを使っているような場合は、別のチェック体制が用意されている。こちらは、信頼性検査セクションでも精鋭のベテランスタッフが、1台1台をセットアップからしっかりとチェックするのだ。
GALLERIAシリーズのハイエンドモデルや法人向けのサーバー/ワークステーションモデルのチェックは別体制。ASUSTeKやSupermicroといったマザーボードも確認できた | |
ノートPCのチェックは6台1ユニット。製造工程と同じく女性スタッフの活躍が目立つという | 自動検査システムを導入するソフトはBlu-rayディスクとDVDディスクに収められている |
不具合対策グループでは、問題に即座に対応する準備が整っている。ちなみに取材時は稼働していなかった |
さて、信頼性検査セクションと並んで重要なのが、隣接する不具合対策グループだ。丁寧に製造したPCだが、それでも中には不具合が出てしまう。そんな場合に即座に対応するべく、製造エリアと信頼性検査セクションのすぐ近くに不具合の対策エリアが確保されている。問題が解決されたPCは再び信頼性検査を経て、出荷されることになる。
不具合対策グループに隣接して、客先で発生した不具合の対策エリアもある。ホコリを飛ばす専用のブースも用意されていた |
ひと口に不具合と言っても症状は様々だ。ケーブル配線のミスといった単純なものから、パーツ個体の不良などその症状は多岐に亘るが、重要なのは「情報を共有する」こと。不具合対策グループが請け負うのは、工程内の不具合のほか、その隣には販売後の修理を担当する客先で発生した不具合の対策エリアもある。「それら修理プロセスを一元管理し、品質改善のスピードアップを実現」するのが目的なのだという。