エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.347
2014.08.11 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
あとはストレージを搭載するだけの「Silencio 452」内部 |
Cooler Master「Silencio 452」の外観から内部構造に至るまで、細部を余すところなくチェックしてきた。実機に触れずとも、おおよその性格や設計思想は理解頂けたのではないだろうか。ギミックを詰め込むあまり大型化されがちな昨今のミドルタワーPCケースだが、「Silencio 452」は搭載スペース等の犠牲を最小限に、本体をコンパクトに収めている。とは言え、構成パーツを組み込む事で使い勝手の良さや、組み込み易さ等、製品本来の善し悪しが見えてくる。ここからは「Silencio 452」を使い、実際にPCを1台完成させる事で、気が付いた事や、分かった事を解説していこう。
今回搭載テストに使用したマザーボードは、305×244mmのATX準拠モデル。Stand offで台座を作り、マウントしてみたところ、まず上方向で実測約30mmの空きスペースが確認できる。上面には冷却ファン等の増設ができないが、CPUクーラーやマザーボード搭載のヒートシンクが大型だった場合はある程度の空間が必要になるため、実測約30mmはありがたい。また右側面はHDDケージまで実測約50mmの距離。この間にはケーブルマネジメントホールがあり、忙しくケーブルが行き交う場所としては、十分なスペースだろう。「Silencio 452」におけるマザーボードの居住性は比較的高い。
上面に冷却ファンが無いだけに、CPUクーラーやマザーボードに搭載されるヒートシンクとの物理的干渉の心配は無い。実測約30mmの空きスペースも十分だ | |
裏配線で活躍するスルーホールのあるマザーボード右側面。こちらは実測約50mmのスペースが確保されている |
3.5インチHDDと2.5インチSSDのマウント状態も確認しておこう。ツールフリー機構を備えた3.5インチHDDは、「1st HDD cage」に4台、「2nd HDD cage」に2台の合計6台が搭載できる。固定にはプラスチックパーツの「HDD toolfree Assembly」を使用。HDD側面2箇所のネジ穴にピンを合わせ、中央のダイヤルをロックするだけで完了する。
一方、2.5インチSSDは底面ベタ置きと、「2nd HDD cage」上部の2箇所。前者は底面4箇所のネジ留め、後者は右側面の突起部にネジ穴を合わせ、SSDを仮固定。左側面2箇所をネジ留めする。
3.5インチHDDは「HDD toolfree Assembly」だけでマウント。がたつく事も無く、ネジ留めに違わぬホールド感がある | |
2.5インチSSDにツールフリー機構は無し。「2nd HDD cage」上部の搭載スペースは、右側が突起固定、左側がネジ留め。なお搭載にはHDDケージプレートを外しておく必要がある |
グラフィックスカード(拡張カード)の有効スペースは公称でフルサイズの386mm。ただしこの数値は、「1st HDD cage」側面のHDDケージプレートを取り外した状態に限られている。標準状態での有効スペースは282mmで、検証で使用した全長270mmのグラフィックスカードがすっぽり収まる程度だった。「1st HDD cage」へHDDをマウントする場合は、282mm以下のグラフィックスカードに限られる。フル装備で組み込みを行う場合は、パーツ選択に注意が必要だ。
デフォルト状態では282mm、HDDケージのプレートを取り外すと386mmまで拡大する、グラフィックスカード搭載スペース。ただプレートを外してしまうと、3.5インチシャドウベイ4台分が消えてしまう | |
搭載サンプルのグラフィックスカードは全長270mm。「1st HDD cage」のプレートとはスレスレの状態ながら、接触はしていない |
CPUクーラーの搭載スペースは、公称158mmまで。「Silencio 452」はサイドパネルに凹凸がないため、CPUソケットまでの高さを差し引いたPCケース幅を目一杯使う事ができる。高さ160mm超えのサイドフロー型CPUクーラーも複数流通しているが、「Silencio 452」では超大型モデルは搭載できないながらも、多くのモデルがチョイスできる。
Cooler Master的には、人気の「V8 GTS」(型番:RR-V8VC-16PR-R1)は無理でも、「Hyper TX3 EVO」(型番:RR-TX3E-28PK-R1/RR-TX3E-22PK-R1)クラスのモデルは、難なく搭載可能 |