エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.347
2014.08.11 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
CPUクーラー有効スペースを目一杯使い切り、空冷高冷却を狙うもよしだが、オールインワン水冷ユニットでスマートに冷却しようと考える人も多いはず。そこで240mmサイズ水冷ユニットのCooler Master「Seidon 240M」(型番:RL-S24M-24PK-R1)を用意し、搭載テストを行った。なおこの他にも、「Seidon 120M」(型番:RL-S12M-24PK-R1)「Seidon 120XL」(型番:RL-S12X-24PK-R1)「Seidon 120V」(型番:RL-S12V-24PK-R1)も搭載できる事を覚えておこう。
「Silencio 452」はトップパネルに冷却ファンの増設スペースが用意されていないため、ラジエターをマウントさせるには、一般的なリア120mm口径ファン搭載スペース、加えてフロント120/140mm口径ファン搭載スペースが利用できるようになっている。近頃では、フロント部分にラジエターが搭載できるモデルを見掛けるようになってきたが、これは2基のラジエターのマウントを可能としたもの。「Silencio 452」の場合は前述通り、トップ部を塞いでしまったがため、必然的に用意されたものだ。PCケース幅が比較的狭く、コンパクトなミドルタワーPCケースとしては珍しい設計であり、フロントに水冷ユニットを搭載することにより、トップ部に搭載するよりも静音性を損なわない点も「Silencio 452」のセールスポイントになっている。
電源ユニットの搭載スペースは公表されていないため計測してみたところ、実測約280mm程度だった。搭載テストには、以前詳細検証をお届けした「V750 Semi-Modular」(型番:RS750-AMAAG1-JP)を使用。奥行き140mmのショートサイズだけに、余裕をもって搭載できる。さらに余ったケーブル類を放置するスペースも確保できた。
奥行き140mmの扱い易い「V750 Semi-Modular」をマウント。固定方法は一般的な、背面インチネジ留め | |
なお底面には2.5インチSSDシャドウベイがある。これを使用した場合、電源ユニットは奥行き180mm程度に収めなければ、物理的干渉を起こすので注意が必要だ |
ミドルタワーPCケースとしてはスリムな「Silencio 452」は、内部ギミックが凝縮された、見所多き普及価格帯モデルだった。静音コンセプトの「Silencio」シリーズのエントリークラスとあって、トップ面には一切の仕掛けを作らず、冷却ファンはフロントとリアのみに限定。240mmサイズラジエターをマウントさせる事を譲らず、厚手のフロントパネルに無理なく収める事に成功している。近頃このスタイルが増えつつあるものの、エントリークラスのPCケースとしては、まだまだ大胆な設計であり、魅力的に映るだろう。
細部に目を凝らすと、コストダウンの対象となったのであろう箇所も複数見受けられるものの、総じて価格以上。コストパフォーマンスの高さを十分に感じる事ができる。
静音志向のPCケースだけに、冷却ファンの搭載可能数は限られている。そこでこの際、「オールインワン水冷ユニット推奨PCケース」と言い切り、240mmサイズラジエターフロントマウントでのシステム構築をオススメしたい。開閉ドアと両側面に貼り付けられた吸音シートの効果と相まって、手軽に静音PCを組み上げる事ができるだろう。