エルミタ的一点突破 Vol.34
2014.08.17 更新
文:GDM編集部 池西 樹
ここからは冷却機器としての実力を、各種テストにより明らかにしていこう。CPUにはHaswell世代のフラッグシップモデルIntel Core i7-4770Kを用意。またハイエンドモデルということを考慮して、定格(3.50GHz/TC時3.90GHz)に加えて、マザーボード付属のチューニングソフトを使い、4.20GHz(1.149V)と4.40GHz(1.267V)にオーバークロックした状態でも計測を実行した。なお使用機材、およびレギュレーションについては以下を参照のこと。
冷却テストレギュレーション |
---|
1)マザーボードはケースに組み込まない状態で計測する 2)検証にはストレスツール「OCCT 4.4.0」を使用。高負荷状態30分経過時の温度を計測 3)温度計測には「HWMonitor」を使用。数値は「Package」最大温度 4)騒音値は、冷却ファンから30cmの距離で計測 |
CPU温度(室内温度26.4℃) 3.50GHz:1.145V/4.20GHz:1.149V/4.40GHz:1.267V |
まず定格の温度を確認すると、アイドル時は35℃、高負荷時でも62℃までしか上がらず良好な結果。TIMに問題を抱えるIvy BridgeやHaswellでは、定格運用でもCPUクーラー交換によるメリットは大きいことがわかる。またオーバークロック時の温度を確認すると、4.20GHzで約74℃、コア電圧が大幅に盛られた4.40GHzでも88℃で、いずれも常用可能なレベルに抑えられている。
冷却ファン回転数(室内温度26.4℃) 3.50GHz:1.145V/4.20GHz:1.149V/4.40GHz:1.267V |
続いて「CPU温度計測」時の冷却ファンの回転数を確認していこう。定格ではアイドル時937rpm、高負荷時でも1,077rpmで、冷却性能にはまだまだ余裕がある状態。ただし、オーバークロック時は、いずれのクロックでもほぼフル回転となる1,300rpm後半まで回転数が上昇。4.40GHzでは温度も88℃を計測しており、これ以上のクロックを狙うならデュアルファン構成を検討する必要があるだろう。
最後にデジタル騒音計を使い、動作音を確認しておこう。測定は回転数テストと同じく「CPU温度計測」時に実施。なお室内の暗騒音値は32.8dBAだった。
騒音値(室内温度25.4℃/3.50GHz/1.012V/暗騒音32.8dBA) |
定格時はアイドル時の34.5dBAに対して、高負荷時37.2dBAとその差はわずか。耳に聞こえてくるノイズにも大きな変化はなく、静音を維持したまま淡々と動作する。また回転数が上がるオーバークロック時は、いずれも40dB前半まで上昇するが、こちらも許容範囲内。140mmの大口径ファンを搭載しているメリットが発揮された結果と言えるだろう。