エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.349
2014.08.19 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
Phanteks「Enthoo Luxe」のエアフローレイアウト |
平面の面積が広いフルタワーPCケースだけに、搭載できる冷却ファンの口径も大きく、さらに複数がマウントできるように設計されている。以下のイラストは、マニュアルに記載されている冷却ファンレイアウト。この内、標準ではフロントに200mm口径ファン×1基、トップ部(リア寄り)に140mm口径ファン×1基、リア部に140mm口径ファン×1基が搭載されている。さらに各々のスペースには予め、口径を変える事ができる複数のネジ穴を用意。用途に応じてエアフローレイアウトを変更する事ができるようになっている。
Phanteks「Enthoo Luxe」の冷却ファンレイアウト |
フロントパネルの内部には、大口径200mmファンが標準で1基搭載されている。型番は「PH-F200SP」で、Phanteksのカタログモデルとしてラインナップされている。スペックは回転数が850rpm±250rpmで、騒音値は25dBA、風量は110.1CFM、静圧1.04mmH2O。大口径らしく大型インペラの採用により、低速回転で大風量を得ることができる。フロント部分からPCケース内部に外気を取り入れる重要な役割を果たしてくれる。なおフロント部分には標準200mm口径ファン×1基の他に、120mmまたは140mm口径ファン各2基に換装する事ができる。
トップカバーを外す事で姿を表すのは、標準搭載される140mm口径ファン×1基だ。採用されるのは「PH-F140SP」で、こちらも単体発売されているモデルとなる。スペックは回転数が1,200rpm±250rpmで、騒音値は19dBA、風量は82.1CFM、静圧1.33mmH2O。ちなみにトップ部には最大で3基の140mm口径ファンがマウントできるが、標準搭載ファンはCPUソケット周辺の排熱への気遣いから、最もリア寄りにマウントされている。なおこの他に、200mm口径ファン×1基、または140/120mm口径ファン×3基に換装できる。
リア部に標準装備される140mm口径ファン×1基は、トップファンにも使用されている「PH-F140SP」だ。さすがにリア部にマウントできる冷却ファンは1基のみだが、120mm口径ファンへの換装にも対応。ネジ穴を利用してラジエターを搭載する事ができる。
140mm口径ファン1基が標準装備されるリア部。シャーシ側にはハニカム状の通気孔が設けられている | |
ネジ穴はスリット状だけに、設置位置を変更する事ができる。なお外側が140mm口径ファン用、内側が120mm口径ファン用 |
増設ファンスペースは、HDDケージ横にも装備されていた。これは筐体内部の風の流れを促進。フロント200mm口径ファンにより冷却されたHDDケージ内部の熱を素早く排出する役割をも兼ねている。なお搭載できるのは120mm口径ファン2基だ。
矢印で示した部分にネジ穴を用意(PSUカバーに隠れた下部にもネジ穴アリ)。120mm口径ファンが最大2基まで増設できる | |
120mm口径ファン2基を搭載してみたところ。固定には付属のScrew 6-32×31mm(HDD fans,200mm fan(top))を使用する |
通気孔仕様のボトム面にも冷却ファンが増設可能。HDDケージとハンドスクリュー2個で固定された台座部分を取り外せば、140mm口径ファン1基、または120mm口径ファン2基が搭載できる。
電源ユニット横のボトム部にも冷却ファンが増設可能。底面から上方へ風の流れを作りたい場合には利用できる |
前作「Enthoo Primo」でも採用されていた「PWM HUB」がこのモデルにも搭載されている。基板レイアウトは若干変更されているものの、仕様に変更はない。
CPUクーラーメンテナンスホール(カットアウト)下に固定された「PWM HUB」は、その名の通りPWM信号を複数の冷却ファンに振り分けるHUBの役割を果たすもの。まずはマザーボードの4pin PWMヘッダピンにケーブル接続。基板上にある「FAN1」~「FAN6」までの6つの3pinコネクタに冷却ファンを接続すれば、PWM制御が一括で行われる。またY字の分岐ケーブルを使うことで、最大11台までの冷却ファンが接続できる。
前作より基板レイアウトが変更された「PWM HUB」。電源供給用に左側面から伸びるSATA 12Vケーブルを接続する必要がある | |
「FAN1」以外はY字分岐ケーブルにより2基の冷却ファンが接続可能 |