エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.349
2014.08.19 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
内部設計へのこだわりが印象的なPhanteks「Enthoo Luxe」だが、実は外装周りでも個性的な装備が用意されている。それは第1弾「Enthoo Primo」で搭載されたものから進化を遂げた、イルミネーションLEDだ。
「Enthoo Primo」ではトップからフロントにかけて本体右端のラインがブルーに発光する仕掛けだった。しかし新作「Enthoo Luxe」では、これを左右に内蔵。フロントトップのPOWERスイッチ周りも同色で発光する。加えて単色発光ではなく、RGB(Red/Green/Blue)を混ぜて全10色から好みの色を選ぶ事ができるようになった。
トップからフロントにかけ、左右両端のラインが10色に発光するイルミネーション。トップ部に装備されるPOWERスイッチ周りも同色に発光する仕組み | |
5.25インチオープンベイ最上段に設けられた開閉扉。内部右端にあるボタンが「LED Switch」だ。ワンプッシュ毎に色が変化し、合計10色がループする仕組み。気分に合わせて発光色を選択する事ができる |
RGBを混ぜて全10色に発光。気分に合わせ「LED Switch」で手軽に切り替える事ができる |
検証の最後に、「Enthoo Luxe」のドレスアップ系アイテムをご紹介しておこう。今回はPhanteksの国内正規代理店である株式会社アイティーシーの好意により、専用オプションの「Multi-Color LED Strips」および汎用LEDファン2種類を借り受けた。いずれも「Enthoo Luxe」にマッチした要検討アイテムだ。
オプションパーツ「Multi-Color LED Strips」は製品サイトでも赤文字で”Compatible with Enthoo Luxe ONLY”と記されている通り、「Enthoo Luxe」専用の発光ドレスアップパーツ。帯状のシリコン製テープにLEDが等間隔に内蔵され、両面テープにより任意箇所に貼り付けて発光を楽しむ事ができる。なお「Enthoo Luxe」用オプションとあって、4pinの専用コネクタを装備。予め用意される4pinコネクタに接続するだけで、左右およびPOWERスイッチ周りと同色で発光する。
「Multi-Color LED Strips」は「Enthoo Luxe」専用のドレスアップパーツ。国内市場で入手できるのは長さ2mで、両面テープにより好みの箇所に貼り付ける事ができる |
「Multi-Color LED Strips」に続き、最もポピュラーな発光アイテムであるLED内蔵冷却ファンを2種類ご紹介しよう。単体カタログモデルの140mm口径の「PH-F140SP_LED」(140×140×25mm /1,200±250rpm/82.1CFM/19dBA)と200mm口径の「PH-F200SP_LED」(200×200×30mm/850±250rpm/110.1CFM /25dBA)だ。いずれもフレームに白色LEDを4個内蔵し、好みの箇所に増設または換装が可能。前出「Multi-Color LED Strips」と合わせて、是非ドレスアップを楽しんでほしい。
フロントは200mm口径、リアは140mm口径のLEDファンにそれぞれ換装。特に200mm口径ファンはフロント吸気孔と左サイドのアクリル窓からほどよく光が漏れ、ホワイトカラーの筐体とよく似合う |
Phanteksブランドは実に細部までこだわる。今回の新作「Enthoo Luxe」を含め、計3台のPCケースを市場に投入したワケだが、共通して言えるのは、「どのPCケースにも似ていない」こと。
これまでたくさんのPCケースに触れてきた過去を振り返ると、外観スタイルや説明がしにくい「風合い」のようなもので似て非なる製品は思い浮かぶものの、その内部設計はPhanteksならではの独特な世界観がある。これは明らかに「製造」ではなく「設計」の違いだ。既成の枠にとらわれず、たとえ少数派であってもニーズに応えるという姿勢こそ、僅か2モデルだけで多くの自作派から一目置かれる存在になった最大の理由ではないだろうか。
冒頭紹介したプロダクトマネージャーであるBoon Tuoh Khor氏が「Enthoo Luxe」に詰め込んだメッセージを慎重に読み解く作業は、これまでになく時間と労力を要した。ほどなく第4、第5の新作も控えていることだろう。それまでに体力を温存しておかなければならない。