エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.350
2014.08.24 更新
文:GDM編集部 池西 樹
最後に、オーバークロックによる消費電力への影響について確認しておこう。計測にあたっては「CINEBENCH R15」実行時における最も高い数値を高負荷時、起動直後10分間放置した際の最低値をアイドル時に設定している。なお途中から動作クロックが低下する「Extreme」設定時のスコアも参考として記載している。
消費電力(W) |
「EasyTune」のプリセットでは、省電力機構はONに設定されているため、アイドル時の消費電力はいずれも変化なし。高負荷時はコア電圧が1.363Vの「Light」「Medium」で約50W、1.421Vの「Extreme」では約90Wと大幅に増加しているが、不安定な挙動は見られなかった。上位モデルと同等の8フェーズ回路を備える「GA-Z97X-Gaming 3」なら、かなりピーキーなオーバークロック用途でも安心して使用することができる。
ゲーミング向けはおろか、Intel Z97 Express搭載モデルの中でも最廉価帯に位置付けられる「GA-Z97X-Gaming 3」。冒頭でも触れた通り、搭載コンポーネントで差別化は図られているものの、実装機能は上位モデルとほぼ同等。さらにゲーム性能に直結する拡張スロットや、ストレージ対応にも大きな違いは見られず、パフォーマンスを重視したハイエンドゲーミングPCにも耐えられるポテンシャルを備えている。
「GA-Z97X-Gaming 3」なら、ローエンドからハイエンドまで、幅広いユーザニーズに応えることができる |
また近頃では、低価格なPentium G3258に合わせて、ローエンド志向のIntel Z97 Expressマザーボードが数多く登場しているが、それらの代替としても魅力的な存在だ。エントリー向けとしては異例とも言える8フェーズ電源回路と、優秀なユーティリティソフト「EasyTune」のおかげで、上級者はもちろん、オーバークロック初心者でも安心してチューニングを楽しむことができる。まさに低価格・ハイパフォーマンスを体現した「GA-Z97X-Gaming 3」は、エントリーマザーボードの佳作と言える製品だった。