エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.354
2014.09.06 更新
文:GDM編集部 池西 樹
未使用コンポーネントへの電源供給をカットできる「ECO CENTER」。より省電力性を追求したいなら、上位アプリ「ECO CENTER PRO」に対応する「ECO」シリーズという選択肢も用意されている |
「Z97S SLI PLUS」には、基板上の使用していないコンポーネントやポートへの電源供給をカットできる「ECO CENTER」が搭載されている。うまく利用してやれば、無駄な電力消費を削減できる他、ショートやノイズによるマザーボードの損傷も抑えられるユニークな機能だが、実際にはどの程度効果があるのだろうか。早速検証を進めていくことにしよう。
「Z97S SLI PLUS」で設定できるのは、「CPU fan」「USB 3.0 ports」「M.2 SSD」「SATA 7_8」「PCI slot」の計5項目。設定時には電源供給をOFFにすると、接続機器が使用できなくなる旨のワーニング画面が表示される | |
「ECO CENTER」設定時のアイドル消費電力(W) |
全ての項目にチェックを入れると、アイドル時の消費電力は最大7.4W削減できる。これは標準状態(ALL ON時)の約18%にあたり、なかなか無視できない数字といえる。また項目別に確認すると、「CPU fan」の3.2Wを筆頭に、「SATA 7_8」1.9W、「USB 3.0 ports」1.4W、「PCI slot」0.8W、「M.2 SSD」0.1Wの順。「CPU fan」についてはCore i7-4790KのようなハイエンドCPUでの常用には少々難があるものの、それ以外の項目は安定性への影響も軽微。不要であれば積極的にOFFにして構わないだろう。
続いて、CPUをTDP35WのCeleron 1820Tに載せ替え、ファンレス動作を可能にした状態で、アイドル時と高負荷時(CINEBENCH R15実行)の消費電力および、パフォーマンスをチェックしてみることにした。
Celeron 1820T搭載時の消費電力(W) | |
Celeron 1820T搭載時のCINEBENCH R15のスコア(cb) |
消費電力の違いはアイドル時7.5W、高負荷時7.4Wで、処理に関係なくほぼ一定。CPUによる違いもなく、「ECO CENTER」を使えば安定して消費電力が削減できることが証明された。またCINEBENCH R15の結果を見る限り、パフォーマンスへの影響もなく、常時起動の省電力PCを構築する場合には、非常に有効な機能になるだろう。