エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.355
2014.09.10 更新
文:テクニカルライター・藤田 忠
次は定番3Dベンチマークの「3DMark」を使って重量級ゲームのプレイ時を想定したテストを実施。テストはDirectX11の機能を利用した高負荷な「Fire Strike」をループ実行している。
3DMark:Fire Strike実行時の電圧変化 | |
3DMark:Fire Strike実行時の各電圧の最大/最小/平均値 |
テストの内容やデーターロードなどで、消費電力は100W~400Wと大きく変動するが、出力グラフはほぼフラットになっている。消費電力が急激に変化するが、各電圧の最小値はこれまでのテストとまったく同じ値だ。
各テストは常にファンが回転するHybrid Fan無効状態で行なっているが、「V1200 Platinum」のファン音は耳に付くことはなかった。もちろん、電源ユニットよりもCPUやグラフィックスクーラーのほうが、うるさいことが多いのでPC全体の静音化には、そのほかのパーツの対策がマストになるが、「V1200 Platinum」は十分静かという点は覚えておこう。
最後は人気MMORPG「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」の公式ベンチマークでの電圧推移をチェック。描画設定のプリセットは「最高品質」、解像度は1,920×1,080ドットのフルスクリーンで実行している。
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編実行時の電圧変化 | |
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編実行時の各電圧の最大/最小/平均値 |
最大305Wで、平均が230W程度とこれまでのテストと比べると消費電力が、グッと下がる「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」だが、出力の安定性に変化はなく、グラフはほぼフラットになっている。80PLUS PLATIUM認証&老舗Cooler Masterが安定性をトコトン追求した「V」シリーズといったところだ。
1,200Wの大容量を使いきるのはもちろん、変換効率が最も高い600Wを目指した構成もなかなか難しいことから、万人向けの製品ではないものの、「V1200 Platinum」の安定性は、負荷に関わらずかなり優秀だ。さらに「Hybrid Fan Controller」機能を使えば、低負荷作業時はファンレス運用が可能なのもうれしいところだ。
電源ユニットは滅多に買い替えないPCパーツのひとつなので、最新のHaswell-Eや将来的にハイエンドGPUによるマルチグラフィックス環境、高い冷却性能を備える自作水冷を組み込んで、CPUやグラフィックスのオーバークロックをトコトン楽しみたいなど、将来的にハイエンドなこだわりマシンの自作を考えている人にとって、保証期間も7年間と長い「V1200 Platinum」は有力な選択肢のひとつになるだろう。