エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.357
2014.09.16 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
両サイドパネルは、片側2本のインチネジで固定されている。後ほど紹介するが、付属品が収められた袋の中には、なぜかハンドスクリューが4本同梱されていた。推測すると、どうやら工場出荷時はインチネジ固定のままだが、利便性を考慮しハンドスクリューが追加で付属されるようになったのではないだろうか。せっかくの付属品なので、今のうちに付け替えておこう。
さて取り外した両サイドパネルをチェックすると、左側のみ冷却ファンの増設スペースと通気孔が設けられていた。さらによく見ると、左右共に段差が設けられ、それぞれ外向きに膨らんでいる。これは単なるデザインではなく、PCケース幅を少しでも稼ごうという工夫。左側はCPUクーラーの有効スペース、右側はマザーボードトレイ背面のケーブルマネジメント(裏配線)用に、それぞれ空間が確保されているというワケだ。比較的幅の狭いPCケースではよく用いられる手法だ。
両サイドパネル共に外側に一段膨らみを持たせる事で、内部の有効スペースを広げる工夫がなされている。デザインだけでなく、実用面も兼ね備えた仕掛けと言える |
電源ユニットがボトムレイアウトになった恩恵として、トップパネルに冷却ファンの増設スペースが用意されているPCケースは多い。しかし 「Fulmo Q ECA3360B-GT(U3)」はフルフラットで、あってもよさそうな通気孔すらない。これをマイナスに感じる人もいるだろう。しかしながら外観デザイン的にいえば、装飾のないフラットなトップパネルにする事で、スマートでシャープな印象を与える事に成功している。意見の分かれるところではあるものの、見た目のバランスは決して悪くない。
完全にフラットなトップパネル。通気孔がないだけに、気にせず書類や雑誌などを載せておくことも可能。悪いことばかりではない |
次にリアパネルをチェックしてみよう。まず目に付くのは、最下段にある大きな開口部。説明するまでもなく、電源ユニットはボトムレイアウトである事が分かる。次に全7段のように見える拡張スロットについては、のちほど詳しく解説しよう。そして上段左にはバックパネルI/O固定用の開口部、その右側には標準装備される120mm口径ファンの通気孔を装備。さらに上段には十字にカットされた円形の切り込みがあり、これをくり抜く事で水冷チューブの抜け穴として利用できるようになっている。ただしこの穴についての記述はマニュアルにも製品資料にもなく、ほぼダミーと考えて差し支えないだろう。
マニュアルを見ずとも、おおよその内部構造を読み解くことが出来るリアパネル部。両サイドパネルの膨らみ具合もよく分かる |
外観セッション最後に、ボトム部をチェックしておこう。まず四隅には円形のインシュレーターらしき部品が装着されている。よくみるとプラスチック製で、振動防止や滑り止め効果のあるゴム素材は一切使用されていない。なお後部には電源ユニット冷却ファン用の通気孔が設けられていた。
インシュレーター的「脚」の主な役割は、電源ユニットに搭載される冷却ファンの吸気スペースの確保。設置面に対し空間を作り上げる重要な部品だ | |
プラスチック製の脚は実測で直径23mm、高さは15mmだった | 電源ユニットの冷却ファン用通気孔部には、着脱可能な防塵フィルタが装着されている |