エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.358
2014.09.19 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
ENERMAX「ERX430AWT」 実勢売価7,980円前後 製品情報(ENERMAX)(株式会社リンクスインターナショナル) |
ハイエンドな香り漂う80PLUS GOLD認証電源にあって、お手頃価格で購入できる格安モデルは新たなトレンドだ。その潮流に乗ってENARMAXからデビューした、注目のエントリーモデルが「ERX430AWT」。530/630/730Wの既存モデルを抱える「Revolution-X’t」シリーズの“弟分”にして、一般に500W以上がほとんどを占める80PLUS GOLD認証電源の貴重な低容量モデル。電源ユニットは負荷50%の状態が最も高効率に動作することから、比較的システムの規模が小さいミドルユーザーにとっては、このクラスこそが本命になりそうだ。
さらに品質の高さについても、電源ユニット製造で20年以上のノウハウをもつ老舗のENERMAX製品とあって、期待感は大きい。設計から製造までをインハウスで行っている数少ないメーカーでもあり、多角化を果たした現在でもENERMAXといえば電源ユニット、というイメージをもっているユーザーも多いことだろう。低容量かつ高効率という難しいモデルは、いったいどの程度のクオリティに仕上がっているのだろうか。
フラットケーブル採用のセミモジュラー電源「ERX430AWT」。大口径ツイスターベアリングファンによる静音仕様と長寿命は大きな魅力だ |
さて、そろそろ主役の「ERX430AWT」について話を進めていこう。そもそもこのモデルは80PLUS GOLD認証という技術的な(そして目に見えにくい)特長以外にも、分かりやすいメリットを多数備えている。
まずシリーズ共通でトピックになっているのが、特許を使用した大口径139mmのツイスターベアリングファンによる静音仕様だ。負荷に応じて自動で可変するファンコントロール機能も備え、高い冷却性能と優れた静音性を両立させている。さらにシャットダウン後も一定時間ファンが回転して冷却を続けるという「ヒートガード機能」は、電源ユニット自体の寿命向上にも大きく貢献するハズだ。実際に「ERX430AWT」のMTBF(平均故障間隔)は100,000時間とハイエンドモデル並みで、メーカー保証も5年間の長期保証が提供されている。
「Revolution-X’t」シリーズ共通のデザインが施されたパッケージ。80PLUS GOLDやセミモジュラー仕様、容量などが一目で把握できる | |
背面には出力やコネクタ表に加え、「ヒートガード機能」など冷却機構の仕様ももれなく記載。ユニット本体はシンプルな緩衝材に包まれて内部に収まっていた |
また、ケーブルタイプは主要ケーブル以外を着脱式とするセミモジュラー式を採用。ケーブル自体もすべてが取り回し容易なフラットケーブルになっており、ケース内の限られたスペースを有効に活用できる。さらにパフォーマンス面にも触れておくと、グラフィックスカードの導入で注目したい+12Vは、シングルレーン35A出力のパワフル仕様。PCI-Express 6+2pinも2系統備えることから、ハイエンドグラフィックスの組み込みも十分可能だ。