エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.358
2014.09.19 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
最後はテスト時における消費電力を振り返り、「ERX430AWT」の検証を締めくくろう。それぞれのテスト時での最高値と、逆に10分間放置したアイドル時の最小値をワットチェッカーで計測した。
【オンボードGPU】 消費電力計測 | |
【GTX 750 Ti】 消費電力計測 |
最も負荷の大きかった「OCCT」テスト時においてGTX 750 Tiが179Wをマーク、キレイにグラフィックスカード分の消費電力差がついている。ただし変換効率に有利な50%負荷にすらまだ余裕があり、オンボードからミドルレンジグラフィックスへのアップグレードにまったく問題はなし。ここからCPUやグラフィックスカードをさらにハイエンド構成に換えてみたり、あるいはHDDを積み足したりといった追加のカスタマイズも無理なく行える。低容量モデルとはいえ、侮れないポテンシャルをもっていることが分かるだろう。
80PLUS GOLD認証製品のエントリークラスといいながら、「ERX430AWT」は変換効率以上にきわめて素性の良い電源ユニットだった。高負荷時における動作にはハイエンド級の安心感があり、アップグレードにも余裕で対応できるポテンシャルを備えている。ミドルレンジユーザーなら、あれこれ構成を積み増しても50%負荷前後で運用できるマージンがあり、ほとんどの状況で“ちょうどいい”と感じることだろう。まだまだ高効率モデルの少ない低容量電源としては屈指の完成度、さすがは電源の老舗・ENERMAXといったところだろうか。
多少欲張りな構成にアップグレードしても大丈夫。ほとんどのユーザーが満足できそうな、ちょうどいい高効率な低容量電源はコレだ |
さらに100%フラットケーブルを採用するセミモジュラー仕様はじめ、イマドキの使いやすい電源ユニットとしての要素はもれなくカバー。きわめてハイレベルな静音性や、システムを長持ちさせる「ヒートガード機能」など、自作ユーザーの心をくすぐる機能をよく押さえている。コスト重視のモデルも悪くないが、ほんのちょっと背伸びして手に入る「ERX430AWT」は、間違いなくそれ以上の満足感をくれるに違いない。