エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.362
2014.09.30 更新
文:GDM編集部 池西 樹
マルチスレッド処理やマルチグラフィックスに加え、DDR4とクアッドチャネル対応による、広大なメモリ帯域もLGA2011 v3プラットフォームの魅力の1つ。そこで、まずはメインストリームとのメモリ帯域の違いから確認していこう。比較対象には、Core i7-4770KとASRock「Z87 Extreme6」の環境を用意し、メモリクロックは標準的な1,600MHzにて計測を行っている。
Sandra 2014:メモリ帯域(GB/秒) | |
Sandra 2014:メモリレイテンシ(ns) |
DDR3-1600MHzとの比較では、DDR4-2133MHzで約2.3倍、DDR4-2666MHzでは約2.6倍で、クアッドコアチャネルの効果はまさに絶大だ。またDDR4-2133MHzとDDR4-2666MHzでも約25%の違いが出ており、帯域幅についてはメモリクロックの影響も大きいことが分かる。マルチスレッド処理では、CPU性能よりもメモリ帯域がボトルネックになることが多いことから、できる限り高速なメモリを組み合わせるほうが、有利であることは言うまでもない。一方レイテンシについては、DDR4メモリが緩めに設定されていることもあり、DDR4-2133MHzではDDR3-1600MHzの後塵を配する結果。DDR4-2666MHzでもほぼ同等レベルに収まっている。
UEFIの「Load Optimized CPU OC Setting」を使えば、電圧やロードラインキャリブレーションのような難しい設定をすることなく、CPUのパフォーマンスを引き上げることができる |
次に、UEFIの「Load Optimized CPU OC Setting」に用意されているプリセットを使い、CPUのチューニングに挑戦していくことにしよう。検証では用意されている全てのプリセットを選択し、「OSの起動」と「CINEBENCH R15」が完走できるのか確認している。
Turbo 4.0GHz設定時。コア電圧は1.201Vで、定格時からは+0.232V | Turbo 4.2GHz設定時。コア電圧は1.220Vで、定格時からは+0.252V |
Turbo 4.4GHz設定時。コア電圧は1.307Vで、定格時からは+0.338V | Turbo 4.5GHz設定時。コア電圧は1.361Vで、定格時からは+0.392V |
今回の検証機では、4種類全てのプリセットで「OSの起動」だけでなく「CINEBENCH R15」を完走させることができた。テスト実行中に、突然のフリーズやブルースクリーンが発生することは1度もなく、冷却さえシッカリとしてやれば充分常用できるだろう。