エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.364
2014.10.16 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
ゲームベンチの最後は、「FF14」に続きオンライン系タイトルのベンチマークソフト「ファンタシースターオンライン2ベンチマークver.2.0」で締めくくろう。品質設定はプリセットの「簡易描画設定」を最大の“5”にセットし、解像度を1,280×720ドットと1,920×1,080ドットの2パターンに変更して計測を行った。
ファンタシースターオンライン2ベンチマークver.2.0 |
いずれの解像度においても“快適”動作の5000を大きく上回り、どのような状況でも快適動作は疑いなし。GPUやシステムの負荷も総じて少ない印象で、軽めのゲームの場合はファンレス動作(グラフィックスと電源ユニット)も可能かもしれない。
ゲームなどの高負荷時には、「Silent-Master Pro Z97」の消費電力はどこまで上昇するのか。最後に動作中の消費電力をチェックしてみよう。計測にあたってはストレステスト「OCCT 4.4.1」の“PowerSupplyTest”を30分動作させ、最も高い数値を高負荷時、10分間何もせず放置した際の最低数値をアイドル時に設定。それぞれをワットチェッカーで計測を行った。
消費電力計測 |
省電力な「Maxwell」アーキテクチャ採用のGTX 750 Tiグラフィックスを搭載するだけあって、消費電力はおとなしめ。システム負荷も最大で40%を下回っており、CORSAIR「RM650」は常にファンレスで動作していた。電力変換効率が最も良好な50%負荷にもまだ余裕があるため、カスタマイズメニューで多少ぜいたくな構成を選択しても大丈夫だろう。
Noctua標準のBTOマシンがあると聞けば、経験豊富な自作ユーザーは「おや?」と思うかもしれない。そもそもNoctuaは、市場でも空冷最高峰として認知されているプレミアムブランド。コアな自作マニアの中には、マシンをオールNoctua仕様に仕立て上げている人間もいるほどだ。そうした“信者”をも抱えるエンスー向けのアイテムだけに、BTOの標準構成に採用した「Silent-Master Pro Z97」の誕生は意外だった。自作好きが揃うBTOカスタマー・サイコムだからこそできた、異色のコラボレーションといえる。
静音・高冷却のNoctuaをコアにして、セミファンレス仕様でまとめた“究極静音”のBTOマシン。そのコンセプトは、自作マニアならではの発想から生まれている |
さらにNoctuaを中核に据えた“究極の静音”コンセプトのマシン構成が、これまた面白い。本来ゲーミングを見据えた構成ならグラフィックスもさらに上を積んでいきたいところ、電源ユニットに合わせ、あえてセミファンレスのGTX 750 Tiモデルを持ってきた。このあたりに無響室テストまで敢行したサイコムのメッセージがにじんでいるようであり、静音への深いこだわりに自作マニアの意気込みを感じることもできる。
それだけに静音マシンとして、「Silent-Master Pro Z97」の完成度は高い。普段は音もなく“黒子”として立ち働いてくれるが、その実態はマニアもニヤリとできる楽しいマシンだった。
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