エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.371
2014.11.15 更新
文:フリーライター・石川ひさよし
ここまで3D性能を見てきたが、ここからは「WINDFORCE 600W」の冷却性能や基板性能にフォーカスしたテスト結果を見ていこう。計測したのはGPU温度と動作音、ファン回転速度、そして消費電力だ。アイドル時はOS起動10分後までの最小値を採用し、高負荷時は「3DMark」のFire Strike Extreme設定の実行中の最大値を採用している。計測に用いたのは、GPU温度、ファン回転数がGPU-Zのログ機能、動作音がカスタムの騒音計「SL-1370」、消費電力にはログ機能付き電圧計の「Watt’s Up Pro」だ。
GPU温度温度(℃)/室温24℃ | |
ファン回転数計測(rpm) | |
騒音値計測(dBA)/室内ノイズ30dBA以下 | |
消費電力(W) |
GPUコアの温度は、アイドル時では30℃付近まで下がり、高負荷時が67℃まで上昇した。リファレンス相当と比較するとあまり差が無い状態だが、これは変動するGPUコア電圧まで正しくリファレンス相当なのかどうかという点も関連するだろう。クロックのみリファレンス相当のものと比較する程度であればほぼ同等、差があったとしてもわずかと言える。一方でOCに関しては、定格に対して+4℃の差が生じた。
ファン回転数は、リファレンス相当が一段低かったのに対し、定格、OCにはそこまで大きな差は出なかった。平均を出すことが難しいところだが、定格に対してOCの方が平均のファン回転数が高めになるということも考えられるだろう。
動作音は、アイドル時は極めて静かであり、30dBA以上を計測できる騒音計をファンの鉛直上20cmという比較的近い位置に置いた計測でも30.6dBAとなった。動作音は確かにあるが、よほど意識しなければ気づかない程度である。高負荷時は計測位置が近いこともあり40dBA前後の値となったが、ファンの正面にいなければほとんど気にならないレベル。ケースに収めてしまえば、GPUクーラーの騒音が気になることは無いだろう。また、どれも40dBA前後であるが、騒音計自体の誤差を考慮すれば、定格+/-100MHzではほぼ同じ動作音と言える。実際、ファン回転数にしても、とくに定格とOCではごく僅かな差なので、これで動作音に体感できるほどの違いは生じないだろう。
消費電力は、アイドル時が42W台で誤差の範囲内、高負荷時はリファレンス相当対定格で+10W、定格対OCで+20Wという妥当な値となった。高負荷時で300W前後であるため、今回の構成と同じ程度、ゲーミングPCなど高負荷の比率が高い用途に用いるならば600Wクラスの電源を、高負荷の比率が低い用途ならば500Wクラスの電源で賄えそうだ。