エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.374
2014.11.26 更新
文:GDM編集部 池西 樹
パフォーマンスベンチマークが一段落したところで、ここからはオリジナルクーラー「Armor 2X」のポテンシャルを確認していこう。「3DMark」実行時の最高値を高負荷時、起動直後10分間何もせず放置した際の最低値をアイドル時に設定している。
GPU温度温度(℃)/室温20.4℃ | |
ファン回転数計測(rpm) |
「Armor 2X」クーラーでは、アイドル時でもファンが低速回転を続けるため、アイドル時の温度は28℃とハイエンドとは思えないほど低い数値。実際にヒートシンク部を触ってみても発熱を感じることはなく、カード上の実装コンポーネントはもちろん、マザーボードなど、周辺コンポーネントへの影響も限りなくゼロに近いだろう。また高負荷時の結果を確認すると、こちらも65℃までしか上がらず優秀な結果。ファンの回転数もアイドル時は約30%の960rpm前後、高負荷時でも約45%の1,300rpm前後と余力があり、多少エアフローが悪い環境でも安心して使うことができる。
騒音値計測(rpm)/室内ノイズ32.1dBA |
また騒音値を見てみると、アイドル時は37.2dBA、高負荷時でも40.1dBAまでしか上がらず、静音と言っていいレベル。特にアイドル時については、リファレンスのCPUクーラーより明らかに静かで、よほど静音なCPUクーラーを組み合わせない限り、セミファンレスモデルとの違いを意識させられることはないだろう。
ベンチマークテストのラストは、消費電力を確認しておこう。測定は「3DMark」実行時の最高値を高負荷時、起動直後10分間放置した際の最小値をアイドル時に設定し、ワットチェッカーを使い計測を行った。
消費電力(W) |
アイドル時の消費電力は、同等のクロック・電圧に設定されるため、チューニングの有無に関係なく横並び。また高負荷時でも消費電力の違いは約2Wと軽微で、リファレンスモデルからの消費電力増を意識する必要はないだろう。シングルグラフィックス環境なら、500Wクラスの電源ユニットを用意しておけば、CPUやプラットフォームに関わらず問題ないはずだ。
ここまで、MSIの新生「CLASSIC Series」第1弾グラフィックスカード「GTX 970 4GD5T OC」の検証を進めてきたわけだが、まず驚かされたのは「Armor 2X」の圧倒的な静音性と冷却性能だ。アイドル時はもちろん、高負荷時でもバラック状態で騒音が気になることはなかった。旧世代のハイエンドグラフィックスを搭載し、発熱や騒音に悩まされているなら、ぜひ交換をオススメしたい。カード長もこのクラスとしては標準的で、厚さも2スロットに収められていることから、Mini-ITXのゲーミングケースとのマッチングも良好だ。
下位モデルであることを意識させない秀逸なハイエンドグラフィックス「GTX 970 4GD5T OC」 |
また最大のライバルとなるであろう上位モデル「GTX 970 GAMING 4G」と比較すると、セミファンレス機構の他、オーバークロック率、冷却機構、補助電源コネクタなどにも違いがあるため、パフォーマンス重視または、オーバークロック耐性を重視するならやや劣勢。しかし、セミファンレス機構が不要、または定格運用が前提であれば、安定性や静音性に不安がなく、コストパフォーマンスに優れる「GTX 970 4GD5T OC」は、充分魅力的な選択肢となるだろう。
)