エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.375
2014.11.29 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
ベンチマークテストをひと通り終えたところで、最後は動作中における「GTX 980 AMP Extreme」の挙動を別な側面からチェックしてみよう。まずは3DMark「Fire Strike“Ultra”」を動作させ、ベンチマーク中におけるGPU温度とファン回転数を計測する。はたして「IceStorm」はどのように働いていたのだろうか?なお、ベンチマークを10分間ループさせた際の最大値を高負荷時、逆に10分間何もせず放置した際の最低数値をアイドル時に設定している。
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GPU温度計測(℃) | |
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ファン回転数計測(rpm) |
最大でもGPUコア温度が60℃程度にとどまっていることから、「IceStorm」の優秀な冷却性能が見て取れる。回転数もあまり上昇せず、高負荷時でもファンの音が耳に届くことはほとんどなかった。さすが3スロット厚のビッグボディをもつ新設計モデルとあって、まだまだ余裕を残しているようだ。オーバークロックによる発熱上昇もかなり抑えることができるだろう。
テストの締めくくりとして、設定した動作クロックごとの消費電力を確認しておく。オーバークロックによってどの程度消費電力が増加するのか、ワットチェッカーを使用してチェックしてみよう。計測環境には先ほど同様、3DMark「Fire Strike“Ultra”」を使用し、10分間ループさせた際の最大値を高負荷時、逆に10分間何もせず放置した際の最低数値をアイドル時とした。
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消費電力計測(W) |
元々Maxwellアーキテクチャ採用のGTX 980がワットパフォーマンスに優れていることもあり、最大でも300W以下という落ち着いた結果となった。オーバークロックによる消費電力増もわずかなため、電力面でチューニングを躊躇する必要はなさそうだ。また、「FIRESTORM」の簡易OC機能「Quick Boost」では動作クロックを抑えることもできるため、シーンに応じて設定を見なおしてみるのも悪くないだろう。
セミファンレス仕様のスマートモデルも多数ラインナップされるGTX 980グラフィックスにあって、「GTX 980 AMP Extreme」は言わばその対極に位置するモデルだ。通常の利用であれば過剰といえる3スロット占有の巨大クーラー「IceStorm」がその象徴で、カードサイズも当代最大級の300mm長に達している。もっともその極端な冷却機構をはじめ、あえて重装備で固めた搭載機能は、すべてオーバークロックによるパフォーマンス追求に捧げられたものだ。GPU電源をリアルタイムモニターする「Power+」やOC専用モジュール「OC+」など、オーバークロッカー垂涎の機能を標準装備。“ツルシ”の状態に満足できないエンスージアストにとって、実に遊びがいのあるモデルに仕上がっている。
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性能も機能も(コストも)最強!叩いて遊ぶエンスーには頼もし、ライトな付き合いにも豪華な機能が嬉しい。コスト含めた“デカさ”が許容できるなら、最高のモデルになるハズだ |
もっとも「GTX 980 AMP Extreme」はすでに出荷時からクラス最高峰のメーカーチューンが施されており、あえてリスクのあるオーバークロックに挑戦するまでもないという考えもある。(やや大きすぎる気はするものの)高冷却クーラーや砲金亜鉛合金製の防振ボディ、さらにはゲーマー好きする「LIGHT.id」によるデコレーション機能など、搭載機能は豪華絢爛。製品同様ハイレベルなコストに目をつむれば、最強のハイエンドグラフィックスカードを手にする喜びが味わえるだろう。