エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.380
2014.12.13 更新
文:GDM編集部 Tawashi/絵踏 一
今度は「GAMING Series」専用ユーティリティ「GAMING APP」による簡易チューニングの効果を確認していこう。OS上から操作が可能なため、状況に合わせて手軽にモード変更ができる「GAMING APP」は実に使い勝手がいい。用意されているのは通常時はクロックを低下させる「Silent Mode」と、ゲームシーンを想定したライトなオーバークロックを施す「Gaming Mode」、クロックをグイっと引き上げてオーバークロックする「OC Mode」の3モードだ。
CINEBENCH R15(cb) |
各モードともにクロック上昇と比例してスコアがきれいに伸びている。注目したいのは「Silent Mode」。負荷のかからないシーンではクロック1.2GHz動作だが、ベンチマーク計測時のような高負荷環境では3.4GHzまで上昇する。クロックは状況に応じてリニアに変動するため、消費電力も抑えられる「Silent Mode」は、日常的に利用する際にはオススメのモードだ。
最後に、「GAMING APP」による消費電力への影響をチェックしておこう。それぞれ「CINEBENCH R15」実行時における最も高い数値を高負荷時、逆に10分間何もせず放置した際の最低値をアイドル時として、ワットチェッカーによる計測を行った。なお、「Silent Mode」の最低値はクロック1.2GHz動作時のものだ。
消費電力計測(W)(cb) |
こちらも「CINEBENCH R15」計測時と同様、動作クロック(コア電圧)が上昇するにつれて消費電力が増加している。目立つのは「OC Mode」時で、アイドル時・高負荷時ともに他のモードよりも大幅に電力を消費している点。逆にそれ以外のモードでは大きな変化がなく、消費電力の面からも通常時は「Silent Mode」にしておくのがよさそうだ。
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