Fractal Design「Define R5」外観チェック

ここからは評価サンプルを箱から取り出し、「Define R5」の外観からチェックを開始しよう。今回借り受けたのは、Black Pearlモデルだ。外周りを眺める前にまず気が付くのは、一般的な同サイズのミドルタワーPCケースよりも重量がある点。近頃のPCケースは0.6mm厚スチール素材がよく使用されており、総重量は10kg以下である場合が多い。一方で「Define R5」は使用素材と厚さの開示はされていないものの、重量は11.2kgとされ、比較的ずっしりと感じられる。

重量11.2kgとされ、同クラスのミドルタワーPCケースとは明らかに異なる安定感がある

フラットデザインが特徴的な開閉ドアとフロントパネル

フロントパネルは歴代「Define」シリーズを継承した、フルフラットデザインを採用。開閉ドア式にすることで、PCケース内部からの駆動音が前面に漏れないように設計されている。ここで面白いのは、ドアの開閉方向が任意で選べる点だ。出荷時のドアは左開きに設定されているが、設置場所によっては開いたドアが机上で邪魔になる事がある。これを回避するため、右開きに変更できてしまうのだ。「デュアルサイドマウンティング」と呼ばれる仕掛けは、蝶番に当たる部分にストッパーの役割を果たすプラスチック片をネジ1本で固定。これを上下計2箇所に装着し、左右を入れ替えるだけで開閉方向を簡単に変更できる仕組みだ。

遮音効果のあるドアを開くとあらわになるフロントパネル。5.25インチオープンベイ、防塵フィルタに保護された冷却ファンが確認できる
ドア開閉方向が任意で変更できる「デュアルサイドマウンティング」を採用。蝶番を付け替えることで、設置環境に合ったスタイルが選択可能
蝶番部分にネジ1本で固定されたプラスチック片を外すことで、フロントパネルからドアが分離できる仕組み。他人の手を借りず簡単に作業ができる
取り外したフロントドア。内側には高密度吸音素材が貼り付けられた2重構造で、駆動音をPCケース内部に閉じ込めてくれる。ドアは想像以上に重厚な作りが印象的
なおフロントパネル自体はピン6本による固定で、開閉ドア共に取り外す事ができる。なおフロントパネルにはたくさんのケーブルが接続されているため、断線に注意が必要

フロント吸気ファンをカバーする防塵フィルタの存在

フロントドア内部には、筐体内部へのホコリの侵入を防止する防塵フィルタが装備されている。フロントパネル面積の3分の2におよぶフィルタは、プラスチック製。下部2つの突起と上部1つのツメで固定されており、工具不要で着脱が可能。付着したホコリを簡単に除去する事ができる。

フロントドア内部、フロントパネル”中下段”を占有する防塵フィルタ。取り外すと内部には140mm口径ファン1基が標準で装備されていた
プラスチック製の防塵フィルタにはワンタッチで着脱可能。金属素材が採用されていないため、水洗いする事もできる