エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.383
2014.12.19 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
「Define R5」の外観を全面にわたりチェックした後は、内部構造の詳細を見ていこう。外装同様、内部もブラックに塗装されているが、シャドウベイや拡張スロット、標準搭載ファンのブレードはホワイトカラーがチョイスされ、デザイン上のアクセントになっている。PCケースの善し悪しを決定づける、重要な内部設計を余すところなく解説していく。
まずはドライブベイレイアウトを確認する。スペック表を見ると、5.25インチオープンベイ×2段、2.5/3.5インチ共用シャドウベイ×8段、2.5インチ専用シャドウベイ×2段となり、筐体内部には合計12段の搭載スペースが設けられている。一般的な使い方であれば、十分な収納力と言えるだろう。
光学ドライブの搭載が主な用途となる5.25インチオープンベイは全2段。ここに特筆すべき仕掛けは設けず、光学ドライブは複数用意された両側面の穴を利用してのネジ留め式が採用されている。またフロントベゼルはプラスチック製で、右端にあるレバーでロックを解除すれば取り外す事ができる。
全2段の5.25インチオープンベイは、ロック機構等は設けずオーソドックスな両側面のネジ留め式 | |
フロントベゼルはワンタッチで着脱可能。外部アクセスで事足りるため扱い易い。右端がベゼルのロック機構 | 5.25インチドライブベイユニットは着脱が可能。左右折り返し部分に各1個、左側面2個のハンドスクリューで固定されている |
2.5/3.5インチ共用シャドウベイは、上下セパレートのケージタイプを採用。上段には5段、下段には3段の専用トレイを備えている。ホワイトに塗装された専用トレイは金属製で、2.5インチSSD/HDD、3.5インチHDDいずれも搭載が可能。両サイズ混在で最大8台のストレージが搭載できる。
2.5/3.5インチ共用シャドウベイは、上下セパレートタイプのHDDケージを装備。上段に5台、下段に3台のストレージが搭載できる | |
左はストレージが5台搭載できる上段ケージ、右はストレージが3台搭載できる下段ケージ。前者は右側のヒンジ部分にある2個のハンドスクリューでシャーシに固定、後者はハンドスクリューに加え、底面4個のネジでしっかりと固定されている | |
左は以前検証を行った「Define XL R2」のHDDケージ。形状は「Define R4」同様だが、新作「Define R5」ではHDDトレイおよびHDDケージいずれも、より通気性を高めるデザインに変更されている |
また中堅クラス以上のPCケースでは、もはや標準ともいえるHDDケージの着脱に対応する。その主たる目的は、占有ラインが同一となる拡張カードの搭載スペースが延長できる点。ストレージ搭載可能数は減るものの、HDDケージを取り外す事でPCケース幅いっぱいに空きスペースが生まれる。さらに近頃では、フロント吸気ファンエリアを利用したラジエターの搭載用途が大きな意味を持ち始めた。HDDケージを取り外す(または移動する)ことで、240mm以上の”長モノラジエター”がマウント可能。「Define R5」では、最大360mmまでのラジエターが搭載できるように設計されている(5.25インチオープンベイ取り外し時)。
近年の2.5インチSSDの普及は、PCケースのドライブベイレイアウトを劇的に変化させた。3.5インチシャドウベイの多くは2.5インチ共用になり、専用トレイを設けたPCケースは、もはや特別な存在ではない。
「Define R5」も例外ではなく、2.5インチSSD/HDD専用のシャドウベイを、マザーボードトレイ背面に2箇所用意している。これは近頃のトレンドとも言えるスペースの活用で、横置き2列のレイアウトが多い中、敢えて専用トレイを縦置き2列に並べた。コネクタを下向きにする事で、配線がし易くなるという狙いがあるのだろう。
ホワイトにカラーリングされた2.5インチ専用トレイは金属製。固定にはブラックのハンドスクリューが使用されている |