エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.383
2014.12.19 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
PCケース設計における「静音」と「高冷却」は対極にあるものの、いずれも手に入れたいというリクエストは少なくない。そこで「Define R5」では「極力静音で高冷却」という状態を作り出すべく、側面の遮音パネルや必要箇所だけ取り外せるトップパネルおよび左サイドパネルを用意。トレードオフの関係にある「静音」と「高冷却」の両者を、理想に近い形で折り合いを付けている。
「Define R5」のエアフローレイアウト。加えて左サイドパネル部にも1基冷却ファンが増設できる |
「Define R5」ではフロント吸気とリア排気方向に、それぞれ140mm口径ファン各1基が標準で装備されている。いずれも1,000rpm(固定)の「Dynamic GP14 140mm」で、ブラックのフレームにホワイトのインペラを採用。ギザギザを設け、低速回転でも風量が確保でき、しかも静音性も維持できるインペラデザインに特徴がある。
なおフロント吸気ファンはさらに1基分の増設スペースを確保。ここには120/140mm口径ファンを縦に並べて搭載できるため、120/140/240/280mmのラジエター固定にも対応。さらに5.25インチベイユニットを取り外せば360mmサイズのラジエターも搭載できるとされている。
2.5/3.5インチシャドウベイ(HDDケージ)を取り外し、フロント140mm口径吸気ファンを確認。標準では上段に1基搭載済みで、下段にもう1基増設が可能。120mm口径用のネジ穴(スリットタイプ)も用意されている | |
フロント同様140mm口径「Dynamic GP14 140mm」を装備するリア部。固定は「穴」ではなく「スリット」タイプにすることで、マウントポジションをスライド移動できる |
静音重視のPCケース「Define R5」は、随所に高密度吸音素材を貼り付け、音漏れを防止する徹底処理が施されている。一方でそれにとらわれず、冷却を強化したいという声もあるだろう。そんな自作派の要望に応え、「Define R5」から新たにトップパネルへ装着されたのが「ModuVent™」だ。
トップパネル部には、120/140mm口径ファン最大3基分の増設スペースがある。ここには標準で密閉状態を作り上げる3枚の「ModuVent™」が取り付けられている。これを冷却ファン増設時、必要に合わせ取り外して利用するという仕組み。「ModuVent™」自体はトップパネル部にツメで固定されており、ツールフリーで取り外しが可能。また3枚は独立して着脱できるため、必要箇所だけ取り外すという使い方ができる。
なおトップパネル部には、標準状態で120/140/240/280mmサイズまでのラジエターが搭載可能。5.25インチオープンベイユニットを取り外せば、さらに360/420mmサイズのラジエターが搭載できる。なお140/280/420mmサイズの場合、厚さは冷却ファンを含め最大55mmまでの制限がある事を覚えておこう。
ボトム部にも冷却ファン増設スペースが確保されている。通気孔が設けられたボトム部は、標準状態で120/140mm口径ファンを各1基。2.5/3.5インチ共用シャドウベイを取り外せば、120/140mm口径ファン最大2基が搭載可能。ラジエターの搭載は240mm、140mm、120mmの各サイズに対応する。なおボトム面は、電源ユニットとスペースを分け合う事になる。電源ユニットの奥行きが170mm以下でなければ、標準状態で140mm口径ファンは取り付けられないので、注意が必要だ。
2.5/3.5インチ共用ベイを取り外せば、120/140mm口径ファン2基を並べてマウント可能。電源ユニットと干渉しないようにレイアウトを考えたい |
左サイドパネル部にも120/140mm口径ファン1基分の増設スペースが用意されている。通常は音漏れを防ぐため、高密度吸音素材が装着された側面用「ModuVent™」を4本のネジで固定。側面から拡張スロット付近に向け外気を当てたい場合は、「ModuVent™」を外し任意で120/140mm口径ファンをマウントできるというワケだ。
標準では4本のネジで「ModuVent™」が固定されている、左サイドパネル部。筐体内部に熱がこもる場合は、自然排気用に通気孔として利用する事も可能 |
前作「Define R4」でも装備されていたファンコントローラー。新作「R5」にも当然のように標準装備されている。「R4」では5.25インチドライブベイ右側にレイアウトされていたスイッチは、左上に移動。スライド式で3段階に冷却ファン回転数を調節できる。
前作「R4」では5V/7V/12Vの刻印があったファンコントローラーだが、「R5」ではそれが省略されている。恐らく同様に調整ができるはずだ |