エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.383
2014.12.19 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
続いて水冷ユニットを搭載してみよう。実際の比率は定かではないものの、空冷と水冷どちらを導入するか、頭を悩ませる自作派は確実に増えているだろう。ハイエンド志向の空冷クーラーは、エントリークラスのオールインワン水冷と価格は拮抗しており、製品寿命や信頼度について、もはや両者は肩を並べている。新しく設計されるミドルタワーPCケースの多くは、水冷ユニットの搭載をベースに最適化されており、冷却の選択肢は自作史上最も充実しているといっていい。
「Define R5」でも空冷はもとより、水冷ユニットの導入を見越した設計がなされており、最も占有面積の広いラジエターはトップ部で120~420mmまで、フロント部で120~360mmまで、リア部で120~140mmまで、ボトム部で120~240mmまでの搭載スペースが確保されている。オールインワンタイプだけでなく、DIY水冷ユニットにより、デュアルラジエター化でシステムを組むことも可能。静音の仕掛けに目が行きがちだが、「Define R5」は水冷の導入も得意とする内部構造に進化しているのだ。
「Define R5」内部で搭載できる、各スペースの対応ラジエターサイズ。ドライブベイの全てが取り外しに対応する理由は、ラジエター搭載スペースの多様化に関係している |
今回の搭載テストでは、折しもFractal Designから発売されたばかりのオールインワン水冷ユニット「Kelvin S24」が入手できたため、挨拶代わりに使ってみることにした。
「Kelvin S24」(型番:FD-WCU-KELVIN-S24-BK) 製品情報(Fractal Design)(株式会社アスク) 市場想定売価税抜19,800円前後(12月12日発売開始) |
簡単に説明しておくと、「Kelvin S24」は240mmサイズラジエターを備えたオールインワン水冷ユニット。ここまではありきたりの製品という印象だが、実はウォーターブロックやラジエターに至るまで、汎用品が追加装着できる互換性が確保された珍しいモデル。さらにポンプはDIY水冷では著名なAlphacool社と共同開発したという、高耐久セラミック・ベアリングポンプ(2,400rpm/72L/h)を採用。12月中旬より国内市場でも販売が開始された意欲作だ。
冷却セッションの最後に、空冷クーラーの搭載スペースをチェックしておこう。「Define R5」では公称高さ180mmまでのCPUクーラーが搭載できる。実際に計測してみたところ開示通りの数値を確認。ハイエンドクラスのサイドフロー型CPUクーラーもチョイスできるだけのスペースは確保されている事が分かった。
公称高さ180mmまで確保されたCPUクーラー搭載スペース |