○時間使ったらPCはおしまい。使用制限を設定できる「Smart TimeLock」

「APP Center」の中でも、やや異色の機能といえるのが「Smart TimeLock」だ。総使用時間や指定の時間帯によりPCの使用に制限を設ける機能で、ペアレンタルコントロール的な使い方もできる。ビジネス向けにはPCの使用時間を営業時間内に限るなど、アイデア次第で様々な活用法がありそうだ。

条件を設けてPCの使用時間を制限できる「Smart TimeLock」。平日と週末では異なるスケジュールを設定可能だ。なお、設定を変更する際はパスワード入力が必要となる

ゲーミングモデルなら導入したい「Game Controller」

今回検証した「GA-Z97X-UD7 TH」のインストールメニューにはなかったものの、ゲーミングモデル「G1 Gaming」シリーズでは専用ユーティリティ「Game Controller」が使用できる。ゲーミングキーボード・マウスにはメーカー謹製のオリジナルツールで機能拡張できるモデルが多いが、GIGABYTE製マザーボードは「APP Center」から設定できるというワケだ。
　ユーティリティでは定番のマクロ機能が利用できるほか、マウス速度を低下させて狙いをつけやすくする「スナイパーモード」、キーリピート速度やマウスのポーリングレートの調整も可能。ゲーマーならぜひともインストールしておきたい機能だ。

	GIGABYTE製マザーボードでは、ゲーミング向けの設定機能も「APP Center」が内包する。ゲーミングモデル専用のユーティリティで、マクロの登録も可能だ
FPSなどで重宝しそうな「スナイパーモード」は、ホットキーを押すことでマウス速度を低下させられる。「キーボード速度」設定ではキーリピート速度の調整が可能だ	最近追加されたマウスポーリングレートの設定画面。最大1,000Hzにセットできるほか、枠内でマウスを動かすことで平均値もチェックできる

ハイエンド向けにはLED連動のドレスアップツールも

番外編として、GIGABYTE X99シリーズが搭載するLED照明の制御ツール「Ambient LED」も合わせてご紹介しておこう。フラッグシップ「GA-X99-Gaming G1 WIFI」などに対応するユーティリティで、バックパネル、チップセットヒートシンク、オーディオノイズガードに内蔵されたLEDの発光パターンを制御できる。こうしたプレミアム感もハイエンドモデルの醍醐味、購入したならぜひ合わせて運用したい。

	GIGABYTE X99シリーズの独自機能に対応する、LED制御ツール「Ambient LED」。オーディオ出力に合わせて発光パターンを変えることも可能だ
合計3箇所に内蔵するLED照明をカスタム、幻想的な雰囲気でPCをドレスアップできる

豊富すぎる機能を難なく活かしきる、ユーティリティの集合体「APP Center」

ここまで一気にGIGABYTEマザーボードの総合ユーティリティ「APP Center」を総ざらいしてきたワケだが、なんと機能の豊かなことだろう。定番のオーバークロックツール「EasyTune」をはじめ、モニタリングツールからアップデートツール、さらにバックアップやスケジューリングツールに至るまで、およそ考えつくあらゆるカテゴリのユーティリティを網羅している。恐らく最もユーザーの興味を引くであろうチューニング関連にしても、初心者向けの簡易機能とエンスー向けの詳細設定を兼ね備え、幅広い層への手当てに抜かりはない。本来豊富すぎるラインナップを使いこなすのは至難の業なのだが、これらすべてを集約・一元管理できる「APP Center」の存在が使い勝手を大きく向上させている。

超高耐久の「BLACK EDITION」など、機能面で差別化を目指すGIGABYTEマザーボード。使いこなす鍵は、マイスタイルに合わせて自在にチョイスできる「APP Center」の多彩なユーティリティだ

そもそも豊富な機能群から取捨選択し、自分の欲しいユーティリティを完成させるというアプローチは、どこかPC自作にも通じる楽しさだ。ハードとソフトの両輪による完成度がキーワードになる昨今、「APP Center」の合理性と多様性はイマドキのマザーボードにうまくマッチする。GIGABYTE製マザーボードを美味しく使いこなそうとするならば、まずはこの優秀なユーティリティをインストールするところから始めてみよう。