エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.388
2015.01.10 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
次に「330R Silent」の冷却ファンレイアウトをチェックしてみる。静音重視のコンセプトで設計されたモデルだけあって、音漏れの元凶となる通気孔は必要最低限。冷却ファン搭載スペースも、さすがに高冷却を謳う高エアフローPCケースに比べれば、決して多い部類ではない。とは言え、冷却ファン増設スペースを活用すれば、十分に冷却を賄える環境が構築できる。
フロントドアを開くと、内部には標準で140mm口径ファン1基が搭載されている。搭載位置は2.5/3.5インチ共用シャドウベイの上部にあたり、取り込んだ外気を直接グラフィックスカード方向に吹き付ける格好だ。さらに下段にも140mm口径ファンが増設可能。こちらは2.5インチSSDや3.5インチHDDなどのストレージに外気を当てる事ができる。なおこのスペースにラジエターを取り付ける事はできない。
ケーストップ部に装着されている「サイレントカバー」を取り外すと、2基の120mmまたは140mm口径ファンが搭載できる。通気孔はハニカム状で、2つの異なるピッチのネジ穴を用意。冷却ファンを増設することで、PCケース上段に滞留する熱を、一気に外部へ排出することが可能。冷却ファン非搭載時でも、熱の上昇による「パッシブ換気」状態にする事ができる。
もちろんラジエターの搭載も想定され、240mmサイズラジエター仕様CORSAIR「H100i」のマウントにも対応する周辺スペースも確保されている。
通常「サイレントカバー」に隠されているシャーシ側トップパネル部。静音仕様からたちまち高エアフロー仕様に様変わりし、120/140mm口径ファン2基が増設可能。ネジ穴には防振ゴムが装着されていた | |
内部からのトップ面。このスペースには最大240mmサイズのラジエターが搭載できるように設計されている |
リア部には冷却ファン1基が標準で装備されている。PCケース内部の熱を外部へ排出する排気方向にマウントされるのは、120mm口径。もちろん120mmサイズラジエターをマウントする事も可能だ。
フロント部の140mm口径に対し、120mm口径と小ぶりなのは、「330R Silent」の幅が210mmと比較的スリムであるため。型番は「A1225M12S」で、3pinコネクタ仕様の7枚羽品。フロント同様、詳細スペックは開示されていない |
フロントドアを開くと、5.25インチオープンベイ上部中央にスライドスイッチがある。これがマルチファンコントローラーだ。3段階切替式で、定格の12V、7V、5Vに供給電圧を切り替え、接続された冷却ファンの回転数を制御するというもの。最大3基の冷却ファンが接続でき、一括制御ができる仕組み。なお先代「330R」ではこの装備がなく、「330R Silent」から新たに追加搭載されている。
「330R」が「Silent」に進化した大きな理由が、このマルチファンコントローラーの存在。静音モデルである事がよりアピールされている。なお背面からは3本の3pinコネクタケーブルと共に、一括供給用SATA電源コネクタを装備する |